<巨人2-0阪神>◇29日◇東京ドーム

 阪神ファンで埋まった左翼スタンドが深いため息に包まれた。1点を追う6回表1死満塁。城島健司捕手(35)が直球に詰まり、遊撃への併殺打。最低でも同点という場面で、最悪の結果に終わった。城島は2併殺打を含む、4打数無安打。「相手もエースだから、チャンスで打ちやすいボールはこない。それでも何とかしないといけない」。22日DeNA戦以来となる先発起用で結果を残せなかった。

 前夜はエース能見が3回5失点の背信投球。この日は中軸がチャンスで精彩を欠いて連敗。和田豊監督(49)は「塁に出て、進めるまではいいが、そこからのところで打席に立つバッターが、絞りきれていない。チャンスで回ってくるバッターが何とかしないと、点は入らない」と厳しい表情だった。

 今季3度目の完封負けで10戦連続で本塁打が出ない。長打がなければ、爆発力は出てこない。左腕内海に対して、2年前に10打数4安打の成績を残した城島にポイントゲッターの役割を託したが、結果は裏目。それでも、和田監督は顔を上げて言った。

 「ジョー(城島)がどうこうではないが、今日はブレーキになった。選んだのは、私。私の責任だ」

 5月4日から巨人3連戦では再び同じ投手と対戦する可能性が高い。打線が浮上しなければ、二の舞いになりかねない。「明日は絶対に落とせない試合だ。しっかりやっていく」。負けん気の強い和田監督が「責任」という言葉を使った。きょう30日の第3戦。やられっぱなしでは終われない。【田口真一郎】