マートンに“愛のカウンセリング”…。阪神和田豊監督(49)が暴言騒動と不振に揺れるマット・マートン外野手(30)のケアに全力を注ぐ。9日の試合後の発言については問題視しないとあらためて強調した上で、助っ人の枠を超えてチームへの「愛」を持った選手だと擁護した。来日1年目から打撃コーチとして接した経験も生かし、悩める主砲が立ち直るよう手を差し伸べる。

 和田監督の言葉からはマートンへの信頼がうかがえた。「マートンのことだろう?」。東京に移動する大阪・伊丹空港で、報道陣にそう切り出した。気になる助っ人の今後について語った。

 「戻る時にしっかりやってくれる状態になること。いろいろ抱えている中で全部をいっぺんにクリアにするのは難しい。ある程度、切り替えてゼロにしてというのは難しい。復帰するまで一番いい方法を探していく」

 不振の主砲は9日のオリックス戦(甲子園)で緩慢な守備を見せた後に「ノウミサン、キライ。ニルイ、ドウゾ」と、冗談ながらも、あえて点を与えたかのような印象を残す発言をした。翌日、南球団社長から注意を受け、以降は2試合連続でスタメンを外れた。先発からマートンが消えたソフトバンク2連戦は1勝1敗ながら、3安打、4安打で2試合とも1得点に止まっている。

 指揮官は試合後の発言についてはジョークと捉え、まったく問題視していないことを強調した。

 「現場としては、新聞に載ったことはまったく問題にしていない。アメリカンジョーク以外の何物でもない。助っ人というだけじゃなく、タイガースへの思いを持っている選手。チームに貢献してくれる選手だ」

 むしろ和田監督が頭を痛めるのはグラウンド上でのマートンの精神状態だ。時に集中力を欠いたようにプレーする助っ人とこれまで数度、話し合いを重ねてきた。今回も“カウンセリング”を継続していく。それは、マートンが抱くチームへの愛情を感じているからこそだという。

 「今の状態がいいことはない。負のオーラがあるけど、1日も早く元気になってスタメンに名を連ねて戻ってこられるように。あとはどこで再スタートを切るかの問題だから。必要ない選手であれば、考えることないけど、打線に関しては核になる選手。みんなで、いろいろな方法を考えてやっていきます」

 和田監督の言葉は、スタメン復帰にはもう少し時間が必要だとも受け取れる。それでも、助っ人の枠を超えたチーム愛を持つマートンの復活法を、一丸となって探り続ける。【鈴木忠平】