<全日本大学野球選手権:愛知学院大2-1東北福祉大>◇14日◇2回戦◇東京ドーム

 因縁の相手に8強進出を阻まれた。東北福祉大(仙台6大学)は昨年の初戦(2回戦)で9回逆転負けした愛知学院大(愛知)に敗れた。1点を追う9回裏、無死満塁のサヨナラの好機をものにできず、大学選手権通算50勝目は来年以降に持ち越した。

 東北福祉大が好機を逃して力尽きた。最悪でも延長戦(1死満塁からのタイブレーク)が期待された9回裏、無死満塁。6番DH上村健人(1年=宮城・東北)の打球は投-捕-一の併殺になり、あっという間に2死二、三塁。スクイズ選択の余地もなくなり、後続も投ゴロに倒れた。山路哲生監督(45)は「一番飛んではいけないところに飛んでしまった」と悔しさをにじませた。

 攻守の歯車が狂った。先発左腕エース萩野裕輔(4年=東北)が3安打2四球1失点で3回途中降板。主戦級が本調子を欠く苦しい投手事情の中で、思い通りの投手起用ができなかった。リーグ戦で見せなかった5投手の継投。7回は、臼井陵太捕手(4年=大阪・大体大浪商)の二塁けん制悪送球と四球で2死一、二塁の窮地を招き、1年生左腕・渡辺純(山形工)が4番手で登板。しかし4球目が暴投になり、バッテリーミスで決勝点を許した。

 昨年の対決で2点リードの9回表、無死満塁から逆転負けした相手に雪辱できなかった。5投手をリードした臼井は「悪いなりのリードができなかった。もっと隙のない野球ができるように練習したい」と反省した。これでチームの大学選手権通算成績は49勝27敗。山路監督は「選手は1点の重みを感じたはず。投手陣を立て直したい」と再出発を誓った。【佐々木雄高】