<ロッテ4-5日本ハム>◇1日◇QVCマリン
日本ハムが粘って三たび勝ち越し、がっちり首位をキープした。4-4の延長10回、中田翔内野手(23)が左中間二塁打を放ってチャンスメーク。犠打で1死三塁とした後、陽岱鋼外野手(25)の投手強襲適時二塁打で決勝点をもぎ取った。3時間52分に及んだ首位攻防第2ラウンドを総力戦で制し、2連勝でロッテとのゲーム差を1・5に広げた。
試合後に校歌を歌いそうなほど、全員が汗まみれになり、泥だらけになって勝利をつかんだ。栗山英樹監督(51)は「選手みんながあきらめずに粘ってくれた。よくやってくれた」。前日に奪い返した首位の座を、全員野球でガッチリとキープした。
先制を許し→逆転→追いつかれ→勝ち越し→また同点にされて迎えた、延長10回だ。高校時代は怪物と呼ばれ、夏の甲子園を沸かせた中田が、左中間を破る二塁打でチャンスメーク。続くベテラン稲葉は自ら送りバントを選択して1死三塁とすると、陽岱鋼の打球はロッテ・ロサのグラブをはじいて中前まで転がった。「(バットに)当てれば何かが起こると思った。何かが起こりましたね」。その瞬間、ベンチにいる全員が拳を突き上げた。決勝のホームを踏んだ中田は「チーム1人1人が1点を取りにいく、そういう野球ができた」。一丸での勝利に、充実感を漂わせた。
昨年まではスポーツキャスターとして夏の甲子園を取材していた栗山監督。試合前には「本当に高校野球の最後の夏みたいな気持ちで戦っている。今日負けたら死んじゃう…、みたいな。死なないんだけど」と笑った。冗談を交えたが、偽らざる本音だ。混戦パ・リーグから脱落する不安。首位に立った前夜のベッドでも、その気持ちは変わらなかったという。「本当の勝負のときまで落ちないように」。プロ野球選手なら誰もが経験する、あの熱い夏を胸に抱いて戦っている。
2位ロッテに1・5ゲーム差をつけ、大混戦から少しだけ抜け出した。本拠地移転8年で6度のAクラス。勝利を知る者の強みが蓄積されている。指揮官は「選手たちはいい経験をしてきているよね。ここ一番で自分たちの野球ができる。誇りに思う」と言った。苦しい戦いが続く終盤こそ、地力の差が出る。優勝旗を勝ち取るまで、全員野球で突っ走る。【本間翼】



