<広島7-0阪神>◇5日◇マツダスタジアム

 マツダスタジアムの三塁側ベンチには、秋風が吹き込んでいた。3位広島に食らいつくはずが、3戦目はよもやの大敗だ。3連勝の後、4連敗で借金は今季最多の「15」。野村政権下で4年連続最下位となり、「暗黒時代」と言われた01年以来だ。2度リーグ制覇した黄金時代は過去のものになった。

 和田監督

 1試合で15を減らせるわけじゃない。自分の能力以上のものを出すというわけじゃない。やるべきことをやりながら、基本的なことをしっかりやっていかないと、ドンドン、膨らんでしまう。

 雪だるま式に増えた「負債」を前に、もはや具体策はなかった。

 序盤の攻防を見れば、7点差もつく試合ではない。初回に先頭の平野が出塁し、バントで送ったが、鳥谷&新井貴が沈黙。2回も先頭の金本が二塁打を放ったが、ホームが遠い。一方で1回裏に平野の本塁悪送球で先制点を献上。その後はズルズルと失点を重ねた。打線は5安打で完封負け。

 和田監督

 やはり最初の1点は防げる点。うちも2回は取れる点だった。どうぞ、という守備隊形だったし、その差がこれだけ大きく開く典型的なゲームになった。本当に、何回でも原点に返っていい。もう1度、しっかりと自分のプレーを見つめ直してやっていかないと。

 もはや3位争いという目標も見失いつつある。明日7日からは、20ゲーム差開いた首位巨人との敵地3連戦。転げ落ちるチームは、戦う姿勢を取れるのだろうか。【田口真一郎】

 ▼4連敗の阪神は35勝50敗9分けで借金15。阪神の借金15以上は、最下位に終わった01年(最終57勝80敗3分け)以来、11年ぶりだ。交流戦終了後の阪神は9勝23敗1分けとなったが、甲子園球場では8勝8敗1分けの五分に対し、その他の球場では1勝15敗。甲子園球場以外での白星は6月30日、神宮球場のヤクルト戦が最後で、7月以降は1勝もできていない。長期ロードが始まった阪神は甲子園球場の試合が8月31日までないが…。