GMの再建プラン、聞きたい-。阪神坂井信也オーナー(64=電鉄本社会長)が29日、球団初のGMに就任する中村勝広氏(63)との「直接会談」を要望した。電鉄本社で取材に応じた同オーナーは、正式承認される9月5日の役員会前後に会談したい旨を明かした。その席で方針を確認し、要望も出すという。近日中にも虎の総帥と新GMが再建論を語り合うことになりそうだ。

 虎の未来について総帥とGMが熱く再建論を交わす。坂井オーナーはこの日、大阪市内の電鉄本社で取材に応じると、球団史上初のGMに就任する中村氏との会談を希望するかと問われて、こう即答した。

 「それはそうなる。こちらはこうしてほしいという要望を持っているし、中村さんにも考えはあるでしょう。それが、大きくずれることはないだろうけど、ずれがあってはいけないのでね。お会いして、お話しすることになるでしょう」

 中村GMはこの日までに受諾の意向を表明し、9月5日の球団取締役会で正式承認されることが確実。同オーナーとしては、すぐにでも会談したいところだ。

 「それは早くしたいのだけど、ただ、まだ試合は残っているし、わずかながら可能性もある。現場が目の前の試合をやっているときに急いで来年の話をしているのかいというのは選手に失礼だし、気分を害するでしょう。そこをわたしは強く危惧するので、あまり話していないのですけど」

 同オーナーはペナントを戦う現場へ最大限の配慮をしつつ、再建の命運を託すGMと顔を合わせ、近日中にも、お互いの考えを確認したい意向だ。

 「中村さんのお考えとかはいろいろ報道されているようだけど。会社のことなので、きちんと役員会を開いて、しかるべき段階を踏んで決めないといけないことです」

 正式な手続きを踏まなければならないものの、5日の取締役会を経て球団初の試みが動きだす。中村GMは10月末のドラフト会議にも参加することが決定しており、FA、外国人を含めた補強、コーチ陣再編など、猛虎再建へと着手すべきことは山積している。「だいたいは一致するんだろうけど、細部でずれがあるのかどうか。合致しないと困ることなんで」と坂井オーナー。来季以降を占う重要な会談になることは間違いない。