オリックスが、来季の新外国人選手候補として韓国ハンファ柳賢振(リュ・ヒョンジン)投手(25)を調査していることが19日、分かった。柳賢振は150キロ超の直球とスライダー、チェンジアップを武器とする韓国最高峰左腕。FA権取得は2年後だが、今オフにポスティングシステムを利用し、メジャー挑戦する可能性が浮上している。

 関係者は「能力としてはピカイチ。それは誰しもが認めるところ」と話した。柳賢振は、高卒新人だった06年にいきなりリーグMVP、新人王、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振を獲得。08年北京五輪に21歳で出場。決勝のキューバ戦で勝利投手となった。母国では柳賢振のポスティングを、日本のレッドソックス松坂、レンジャーズダルビッシュになぞらえるほど、大きな注目を集めている。

 オリックスは、柳賢振の動向を慎重に見極めて、可能性を探っていく。本人はメジャー志向を持つが、所属のハンファはリーグ最下位に沈んでおり、条件次第で米国以外にも放出する可能性がある。柳賢振はFA権を持っていないが、所属先に移籍金を支払えば、日本球団でも獲得は可能だ。

 オリックスは、先発左腕は補強ポイントになっている。中山が中継ぎに回って、井川は2勝7敗と苦しい投球が続いて離脱した。ルーキー海田、3年目前田らが頭角を現しつつあるが、層が厚いとはいえない。

 球団では韓国LGに所属するベン・ジュキッチ投手(29)もリストアップしている。来季の巻き返しのために戦力補強に動きだす。

 ◆柳賢振(リュ・ヒョンジン)1987年3月25日、韓国生まれ。東山高校から05年ドラフトでハンファ入団。新人の06年に18勝で最多勝獲得。昨季まで6年連続2ケタ白星。08年北京五輪、09年WBC韓国代表。150キロの直球とチェンジアップ、スライダーを武器に三振の山を築く。187センチ、98キロ。左投げ右打ち。