オリックスの来季新監督候補に日本ハム福良淳一ヘッドコーチ(52)が浮上していることが25日、分かった。球団は水面下で後任人事に着手しており、球団OBの名前が挙がった。福良ヘッドはオリックスで95年、96年のリーグ連覇に選手で貢献し、指導者としての手腕も折り紙付き。今後、一本化の作業を本格化させていく。

 オリックス球団内で「ポスト岡田」として日本ハム福良ヘッドコーチが浮上していることが明らかになった。チームは18日の日本ハム戦でクライマックスシリーズ進出が消滅。22日に岡田監督の今季限りでの退団を発表。さらにこの日、岡田監督と高代ヘッドの同時休養を決定した。来季への動きが加速する中、球団OBである福良ヘッドの9年ぶり復帰を検討している。

 福良ヘッドは84年ドラフト6位で阪急に入団した。高い打撃技術と守備力を武器とし、88年と94年には二塁手でベストナインを獲得した。現役時代は阪急、オリックスと球団ひと筋の道を歩み、95年からのリーグ連覇にも貢献した。97年の引退後は、すぐに2軍コーチに転身している。

 05年からは日本ハムでコーチを務めている。08年には梨田監督の就任とともに1軍ヘッドコーチに就任。09年のリーグ優勝に、参謀役として貢献。今季も指導歴のなかった栗山新監督をしっかりと支えて、ダルビッシュが抜けたチームで首位をキープしている。

 球団では最近10年間、ひんぱんに監督交代を繰り返してきた。07年のコリンズ監督を筆頭に、外部の指導者を積極的に登用。その一方で生え抜きの指導者が育たなかった、という反省がある。OBである福良ヘッドは球団の伝統を形作る意味でもメリットが大きい。

 現在、日本ハムは優勝争いのまっただ中だ。村山球団本部長は後任監督について「シーズン最終戦が終わってから対処したい」と話している。これから慎重に絞り込み作業を進めていく。

 ◆福良淳一(ふくら・じゅんいち)1960年(昭35)6月28日、宮崎県生まれ。延岡工-大分鉄道管理局を経て84年ドラフト6位で阪急入団。88、94年に二塁手でベストナイン。97年に引退。通算1240試合で打率2割7分9厘、50本塁打、372打点、106盗塁。98~00年はオリックス2軍コーチ。オリックスのスカウトをへて05年に日本ハム2軍内野守備コーチ就任。07年に2軍監督、08年に1軍ヘッドコーチ。177センチ、73キロ、右投げ右打ち。