<広島4-0巨人>◇26日◇マツダスタジアム

 巨人沢村拓一投手(24)がクライマックスシリーズ(CS)での先発ローテーション入りアピールに失敗した。2軍での再調整を経て、4日阪神戦以来の1軍登板だった。最速153キロを出すなど球威は戻り、5回まで無失点に抑えたものの、後半に息切れ。広島エルドレッドに2発浴びるなど、7回途中4失点で10敗目を喫した。現時点でのCS先発枠は4人で、内海、杉内、ホールトンは確定的。残り1枚を巡って沢村は、25日に6勝目を挙げた宮国に1歩リードを許す形となった。

 沢村は復帰登板を飾れなかった。5日に登録抹消され、ミニキャンプを張って臨んだ広島戦。同じ相手、エルドレッドに2本塁打された。6回2/3を4失点で10敗目を喫した。原監督は沢村の投球内容について「コンディション的には良いが、詰めがね。追い込んでから、より精度が必要じゃないかな」と評した。CSでの先発起用については「現時点は、どうでしょうね。誰もランク入りしていないかな」と話した。

 本来の球威が戻り最速は153キロ。スライダーもある程度まとめ、練習の成果は出した。だが中盤、沢村は広島打線につかまった。6回、エルドレッドのソロは144キロの落ちが甘いフォークボール。7回は代打のベテラン前田智にファウルで粘られ、シュート回転した147キロを完璧に打ち返された。2死後、エルドレッドへの初球もシュート回転した直球で、左翼席最上段まで運ばれた。外国人相手の攻めにしては不用意だった。

 沢村本人が「先制点を与えたことが良くない。1回から9回まで、同じ投球を続けないといけない」と、課題を一番理解していた。我慢比べとなる短期決戦では、主導権を渡すことは最悪。仮に先制を許しても、粘り抜いて傷口を広げない投球も不可欠となる。大切なテスト登板で、その2点をクリアできなかった。

 CSファイナルステージは最大6連戦で、巨人は3勝すれば突破する。先発を4枚用意し、5、6戦までもつれた場合は1、2戦で登板した先発を中3日で回す。内海、杉内、ホールトンまでは確定で、残り1枠は前日8回2失点と好投した宮国が現状では優勢。CS直前に合宿もあり、他投手との調子の兼ね合いもある。ただ昨年CS第1ステージ初戦で先発を任された沢村が、自力で大一番のキップをつかめなかったことは事実だ。【宮下敬至】