来季V奪回へ、守道竜がヤンキース・イチロー外野手(39)の獲得を検討していることが23日、分かった。イチローは今季でヤ軍との契約が切れ、FAになる。地元愛知出身のスーパースターが日本球界復帰を選択肢とした場合、獲得に動く構えだ。すでに福留孝介外野手(35=前ヤンキース3A)にも獲得オファーを出しており、夢のW獲得に発展する可能性もある。

 CSでの敗退一夜明け、守道竜がV奪回の切り札として、超大物の獲得を狙っていることが判明した。ヤンキースのイチローだ。今オフでヤ軍と契約が切れ、FAとなる。球団首脳は「検討しているし、もちろん調査する。どの球団も放っておかないでしょう」と明言。日本球界復帰を選択肢に入れた場合、「オファーを出す。そこで断られたらそれまで」と並々ならぬ覚悟を明かした。

 貧打に泣いて3連覇を逃した中日にとって、これ以上の補強はない。今季の外野で唯一、レギュラーを固定できなかった右翼にもはまる。何より、高木監督が昨年9月の就任内定時、福留や川上と並んで一番ほしい選手に挙げている。この際、監督はこう話した。

 「冗談みたいだけど、実際のところ来てほしい。今日たまたま、チチローさんに電話しました。イチローにぜひと伝えてくださいと言ったら、『言っときます』と言っていました」。イチローの父・鈴木宣之氏とは懇意の間柄。獲得に乗り出すとなれば、これほどのアドバンテージはない。もちろん、監督自ら出馬して口説くことになるだろう。

 古巣のオリックスも獲得調査を開始。だが中日には、さらなるアドバンテージがある。イチローが地元愛知出身で中日ファンだったということだ。日本記録の210安打で大フィーバーした94年のオリックス時代も「伝説の10・8決戦」をナゴヤ球場で観戦したほど。他球団がうらやむ相思相愛を生かさない手はない。

 球団首脳は「子どものころからうちのファンだというのも知っている。うちの施設で練習してるのもある」と力を込めた。年明けの自主トレでナゴヤ球場を貸すこともあり、気心も知れている。確かに今季推定年俸1800万ドル(約14億4000万円)は高額だが、「営業的にもほしいでしょう。マネーゲームはしないが、あとはコストパフォーマンス」。観客動員など多大な収入増も計算し、金庫の扉を開ける構えだ。球団は福留にも獲得オファーを出しており、W獲得に発展する可能性もある。全てはイチローの今後次第だ。