<コナミ日本シリーズ2012:巨人8-1日本ハム>◇第1戦◇27日◇東京ドーム

 打線爆発の口火を切ったのは、3番坂本勇人内野手(23)だった。4回、先頭打者として吉川の高め140キロを左翼線に運び、二塁打で出塁。「内海さんがいいテンポで投げてくれていたので、何とか援護したかった」と振り返る一打から、阿部の先制打が生まれた。

 吉川からはオールスターで本塁打を放ったが「あの時は真っすぐだけでしたから。ストレートがピカイチ」と一目を置く。その上で「それを打たないといけないです」と続けた。相手のベストボールを打つことこそが、勝利への近道と判断。試合前から、吉川攻略へ入念な準備で臨んだ。

 この日の打撃練習、左腕の深田打撃投手に対し、いつもよりも投手寄りに立った。それに加え、「いつもより速い球をお願いします」と要求した。「気のせいじゃないですか」とニヤリと笑ったが、力強い吉川の直球対策を自分流に講じ、結果に結び付けた。