ソフトバンクが「戦略室」の新設に動いていることが27日、明らかになった。リーグ3連覇を逃したことに危機感を抱いており、日本一奪回へ新たな方向性を打ち出す。今季は巨人が橋上戦略コーチを中心とした戦略室を新設し、リーグ優勝に貢献した。ソフトバンクも今季は得点力不足に泣いた面が大きく、データ野球を徹底してチーム力向上につなげる。

 ソフトバンクが来季の巻き返しへ、新たなプランを練っている。「戦略室」の設立だ。すでに球団関係者が各方面に調査を行い、担当コーチ入閣の検討なども含めて準備を進めていることが判明した。

 同部門は投手のクセや配球など、スコアラーから報告された情報を的確に分析し、決断できる要素を選手に示す。また個別ミーティングを活用する点は、今季セ・リーグを制した巨人が参考となりそうだ。

 戦略室を新設した巨人は新ポストとして橋上戦略コーチが入閣。ブルペンコーチも新設し、バッテリーコーチと三位一体となってリーグ優勝を縁の下で支えた。従来の全体ミーティングとは別に毎試合前に3分から5分の個別ミーティングを行い、狙い球を確認。その結果、打線の活発化に大きく貢献した。

 ソフトバンクも親会社の特性を生かし、選手にタブレット機を配布。試合の映像や対戦成績を個々にチェックできる環境にある。収集した情報を戦略室で練り上げ、より効果的に反映できれば、勝利への大きな武器となりうる。

 今季は先発の柱を移籍で欠きながら、17勝でリーグ最多勝の摂津、自己最多12勝の大隣らを中心に、救援陣も踏ん張って穴を埋めた。ドラフトでは、即戦力右腕の亜大・東浜を1位指名し、交渉権の獲得に成功した。

 一方で打線は、チーム打率リーグ3位ながら総得点は同5位と低迷。外国人など戦力補強も含め、得点力強化が急務となっている。データ野球をフル活用できれば、他球団には脅威となりそう。来季は、秋山ホークス勝負の5シーズン目。常勝軍団復活へ、できる限りの手は打っていく。