守護神はカクつくる。ソフトバンクの新入団コーチ5人が30日、福岡ヤフードームで入団会見に臨んだ。台湾代表監督などを歴任した郭泰源1軍投手コーチ(50)はブルペン担当として、今季固定できずに苦慮した抑えの確立を“公約”に掲げた。現時点で森福や柳瀬、今季途中から中継ぎに入った岩崎らが候補に浮上している。

 西武に13年間在籍した郭コーチは通訳をつけず、日本語で所信表明した。「日本を離れて十何年になりますが、若い選手を育てていきたい」。常勝西武で117勝。「オリエント・エクスプレス」の異名をとった右腕が、引退した97年以来となる日本球界復帰を果たした。

 引退後は台湾代表監督など指導者の道を歩んだ。チーム事情については「(テレビなどで)見る機会が少なかった。大きなことは言えない」と控えめながら、ブルペン担当として最大の任務は理解している。「一番大切なのはやっぱり抑え。とにかく経験を生かし、選手が力を出していけるようにしたい」と力を込めた。

 今季は元祖抑えの馬原が右肩リハビリ。代役ファルケンボーグは右肩や首の不調で4度の登録抹消、その代役の森福も終盤はぐらついた。9月以降、さらにその代役だった岡島は米球界復帰を希望しており、現時点で抑えは白紙。高山投手コーチは「今年はファルケンが機能せず、森福もここ3年間、相当数投げている。岡島の去就もはっきりせず、早めに人材適性を見極めたい」と話し、郭コーチとともに「守護神問題」の解決を特に急ぐつもりだ。

 キャンプ参加組では森福、柳瀬、そして高山コーチは岩崎も抑え候補に挙げた。「岩崎も前か後ろかは五分五分。後ろでの投げっぷりも見て、1人の候補として考える」。キャンプ中の個人面談で先発か中継ぎ、抑えの配置転換も話し合われるが、プロ2年目の86年に先発から抑えに一時転向し、通算18セーブを挙げている郭コーチの指導も生かされそうだ。【押谷謙爾】