キューバ代表のビクトル・メサ監督(52)が、解任危機にあることが17日、分かった。前日、日本代表に完封負けし、この日は札幌へ移動した。関係者は監督人事について「負けたら何か問題が起きるよ。(キューバ国民は)厳しいよ」と不吉な発言で、解任の可能性もあることを示唆した。

 欧州ではサッカーの代表監督が結果を残せず即解任される傾向があるが、キューバでの野球に対する見方は「それ以上」だという。野球熱の高い国だからこそ、関係者は「今回の試合も見てるから、(国民も)みんな怒ってるよ」と厳しい意見だった。

 11月上旬の台湾代表との対戦では2勝1敗と勝ち越した。第3戦こそ14得点も、第1、第2戦はともに1得点だった。また、今日負ければ09年のWBC第2Rから日本戦4連敗で、屈辱を味わうこととなる。

 この日、チームは日本ハム寮に隣接する室内練習場で約2時間の調整。練習前、メサ監督が2列に並んだ選手たちに向け「負けに慣れてはいけない。何がなんでも勝ちにいくんだ!」と時折声を荒らげるなど、緊張感が漂っていた。

 今強化試合にはフィデル・カストロ前議長の息子でIBAF(国際野球連盟)第3副会長アントニオ・カストロ氏(44)も観戦に来ており、負けるわけにはいかない。「明日ぜひ勝って国に帰りたい」とメサ監督は言ったが、連敗すれば解任騒動に発展するかもしれない。