力になりたい-。巨人内海哲也投手(30)が20日、来春のWBCに向けて始動した。秋季練習休日の午前9時、静まりかえる川崎市内のジャイアンツ球場に内海の姿があった。約30分間のランニング後、室内練習場で50メートルのキャッチボールで感触を確かめた。「アジアシリーズを免除していただいて、この2週間ぐらいしっかり休めました。今日が初ですね」。セ・リーグ2年連続最多勝左腕が、笑顔で始動を宣言した。

 のんびり休むつもりなどない。WBCに向けて大リーガーが続々と代表入りを辞退。国内組で結成する「侍ジャパン」のエース格と期待される内海は「国を背負って戦えるのは本当に光栄なこと」と思いを打ち明けた。

 内海

 入ってどうのこうのって言う前に、代表候補に選ばれたら、入るために全力で頑張ります。もし選ばれたら、山本監督に選んでもらったことを意気に感じて、まずは代表を取りにいきたい。簡単に入れるとは思ってません。

 そのための早期始動だ。午後には優勝報告会が控えていたが「メンバー入りするために、必死で、前倒しでトレーニングを積んでいかないと」と時間をつくった。このオフはイベントに引っ張りだこになるが「時間を見つけて練習したい。代表に入るための努力をまずしないといけない」と言い訳にするつもりはない。

 キューバとの2試合は投手陣が無四球で2連勝した。「入る余地ないですね」と苦笑いしたが、本音はこうだ。「少しでも力になれるのならなりたい」。帽子のつばに「柱」と記し、巨人投手陣を束ねて史上初の5冠へと導いた内海が並々ならぬ決意を示した。【浜本卓也】