来年3月に開催される第3回WBCの日本代表候補34人が4日、発表された。守道竜からは浅尾拓也(28)吉見一起(28)山井大介(34)の3投手と井端弘和内野手(37)大島洋平外野手(27)の大量5人が選ばれた。昨季のMVP右腕浅尾は、浩二ジャパンの守護神の有力候補。「楽しみと怖さ」を胸に、侍の3連覇を導く覚悟を明かした。

 浅尾が甘いマスクを引き締めた。吉報が届いたのは、同僚山崎が主催する岐阜のゴルフコンペ会場だった。3月の東日本大震災復興支援試合に続く日の丸。他の顔ぶれと比べても、本番での代表入りは確実だ。しかも浩二ジャパンの守護神&セットアッパー候補。だが勝負を預かる終盤の大役拝命こそ、浅尾の望むところだ。

 浅尾

 本格的な国際試合で代表に選ばれるのは初めて。日の丸を背負うのはどんな緊張感か想像もつかない。本大会に選んでいただけたら、しっかり自分の投球をしたい。めったにないチャンス。最後の(代表の)つもりで頑張りたい。

 中日は09年の第2回WBCで12球団で唯一選手を派遣しなかったため、浅尾も6年目での初選出。ついに、ASAOのスゴさを世界に示す時が来た。150キロ超の真っすぐと高速フォーク。思い描くはキューバ、韓国、米国斬りか。だが昨季のMVP右腕は、しっかりと足元も見つめていた。

 浅尾

 日本を代表する選手と戦うこと、外国の選手と戦うことは両方楽しみです。でも怖さも半分です。

 勝てばWBC連覇チームのように国民的英雄になれる。だが08年の北京五輪では、あの鉄腕岩瀬が予選リーグで連続で救援に失敗。準決勝でも韓国・李承■(当時巨人)に決勝弾を浴びてメダルを逃し、強烈なバッシングも浴びた。当時の落合監督は「これまで積み上げてきたものを一瞬でボロカスに言われた。一番きつかったのは五輪の後だろ」とかばったが、これが国際舞台の天国と地獄だ。当時浅尾はプロ2年目。テレビで見た大先輩の悪夢が、すべてのおごりを捨てさせてくれる。

 浅尾

 2月中旬にピークを持っていく。最終選考に残れるように頑張ります。

 今オフは、例年より1カ月以上早いハイペース調整で戦闘ボディーを仕上げる。邪念なき浅尾侍が、世界の猛者に立ちはだかる。【松井清員】※■は火ヘンに華