年が明けても、昨季パ・リーグMVP左腕の日本ハム吉川光夫投手(24)に、完全復帰のめどが立たない。4日、札幌市内の室内練習場で始動し“初投げ”を行った吉川だが、最も多く口にした言葉は「不安」の2文字だった。

 昨年の日本シリーズで悲鳴を上げた左肩や肘は、連日の超音波治療も完治していない。60~70メートルのキャッチボールでは力強い球も投げていたが「痛みが出る回数は減ってきたけど、まだ5球投げて1~2球は嫌な感じがある」と、炎症による痛みが残っているという。「開幕より、まずは肘を万全にすることを考えています。目標は持っているけど、僕の口から開幕に間に合うと、今は言える状態ではない」と言葉を選んだ。

 元日に引いたおみくじは“吉”と出た。「良くもなく、悪くもなく。微妙なくじ」と苦笑い。昨年達成できなかった200回投球、さらに「完投で2ケタ勝利」の新年の誓いも、すべては故障からの回復ぶりに懸かっている。