完璧ルーキーに弱点あった!?

 阪神ドラフト1位の藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)に意外な苦手分野が発覚した。足首がやや硬く、20日の新人合同自主トレでは、腰を落としゴロ捕球体勢をつくる練習に苦戦した。今後のトレーニングで課題を克服していけば、最速153キロがさらにアップする可能性も大だ。

 藤浪が197センチの体を窮屈そうに曲げ、顔をしかめた。気がつけば腰が上がってきて…、よろめく。これまでどの練習でも難なくこなしてきたが、苦戦を強いられた。新人合同自主トレで、ゴロの捕球体勢をつくる練習に入った際だ。大きな体を伊藤トレーニングコーチに押さえられながら、何とか体勢を整えるが、スムーズにはできなかった。

 練習を見守っていた同コーチは「足首が硬いですね。硬い選手はいっぱいいますが、ケガにつながる部分なので、注意しながらやらないと」と指摘した。もちろん、プロ野球選手でもそういう選手は少なくない。現在は特に、正座をする機会や和式便所の数が減少しており、それも要因の1つといわれる。実際、ドラフト2位の北條史也内野手(18=光星学院)もその1人。「和式のトイレは手すりにつかまります」という。

 足首の硬さは投げる、打つのプレーに与える直接の影響は少ないが、改善すれば好影響があるのは確かだ。阪神では練習始めのストレッチでも足首を柔らかくするための動きを取り入れている。また、室内練習場にも足首を柔軟にするためのトレーニング器具があり、藤浪や北條も使用している。伊藤コーチは「一気にやるのはケガにつながるので、細かい動きを入念にやらないといけない」と説明する。

 藤浪は大阪桐蔭で、股関節の硬さを課題に掲げ、2年冬から股割りに取り組み、今では180度の開脚もできるようになった。結果的に投球フォームに余裕ができ、春夏連覇という偉大な成果につながった。課題を克服すれば、まだまだ伸びる。伊藤コーチは「バランスも安定するから、多少はあるんじゃないですか」と球速アップの余地もあると話す。地道なストレッチから、夢の160キロが実現するかもしれない。【山本大地】