実戦は早めにコイ!?

 中日から移籍した中継ぎ左腕、広島久本祐一投手(33)が24日、マツダスタジアムで自主トレを行った。ブルペンに入るなど順調ぶりをアピール。静岡県内の自主トレでは、打者相手に投球を行っていたことを告白。1軍スタートの日南キャンプでは打撃投手、シート打撃など早め早めの登板にも意欲的だ。

 自主トレの間、笑顔が絶えなかった。亜大の後輩でもある永川勝、石原らとノックを受けても、久本は楽しそうにこなしていた。何より自主トレが順調に進んでいる証拠だった。

 「9時から6時まで時間をかけてヘトヘトになるまでやっていました。キャンプと同じしんどさでした」と明かす。年明けから静岡・沼津市内で自主トレを積んできた。ブルペンでの投球も何度もこなしてきた。この日もマツダスタジアム内のブルペンで、石原を相手に中腰で投げた。その後もランニングを繰り返すなど、自らに厳しい課題を課していた。

 実戦は、いつでもOKの状態にある。「静岡でも打者相手に投げてきました」。中日のチームメートだった吉田、赤坂の打撃投手を務めていたという。落合前監督時代にはキャンプ開始早々に紅白戦が組まれていただけに、早めの仕上げには慣れていた。

 昨年、3年目の野村政権は左腕不足を解消できなかった。先発、中継ぎともに勝利に貢献できる投手は出てこなかった。フロントは久本が中日を戦力外になると、その時点から強い関心を寄せた。競った場面で起用された数々の経験が生きると踏んでいる。キャンプ1軍スタートも期待の表れだった。基本は中継ぎだが、ロングリリーフや先発の経験はチームにプラスになる。

 今春は日南のみでのキャンプとなる。沖縄しか経験のない久本は、環境の変化、気候の変化に慎重に対処していく。「寒い分、心配な部分もある。チームのやり方で分からない部分もあるので考えながらになる」と話す。キャンプでも打撃投手、シート打撃、紅白戦など早めの登板が見込まれる。信頼を勝ち取ることで、新天地での左腕としての居場所を確立していく。【中牟田康】