米中の両大国が手を組んで日本をけん制する?

 WBCの1次ラウンドで日本と対戦する中国が29日、大リーグの全面支援を受けて大会に臨むことが分かった。中国系サイトの「クリイングリッシュ」が報じたもので、代表チームは31日から米アリゾナ州ピオリアで合宿入り。マリナーズ球団施設の提供を受け、2人の元メジャー監督がスタッフ入りし、番狂わせのチャンスをうかがっている。

 中国が心強い援軍を得た。前回は元オリックスのコリンズ監督(現メッツ監督)に率いられ、台湾から大会初勝利。今回は08年までイチロー、元阪神の城島氏らを指揮した元マリナーズのマクラーレン氏が代表監督に就任。打撃コーチのハウ氏もメジャー3球団で監督歴があり、メッツ時代の03年には楽天松井稼を指導。ともに日本選手の特徴を把握する。投手コーチのハースト氏は10年連続2ケタ勝利をマークするなど、80年代を代表する名サウスポーだった。

 政治では時に緊迫する米中関係だが、WBCに関しては大リーグ機構が協力を惜しまない。野球の普及で市場開拓の狙いがあり、同機構のアレマンダ氏は「みんな喜んでコーチを引き受けてくれた。(中国にいたら)メジャーリーガーと同様の進んだトレーニングはできない」と効果を期待した。チームは地元の短大チームなどと実戦を積み、2月21日に帰国。同27日の強化試合(対オリックス)に合わせて来日を予定する。

 ◆中国代表の主なメンバー

 「秘密兵器」に中国系パナマ人でメジャー71勝の左腕チェン(ロイヤルズ)を招集する。前回も代表入りした中国系米国人のチャン(レッズ3A)が内野の要。日本球界の経験者は3人。呂建剛(元中日)と朱大衛(元西武)の両投手、母が中国出身の岡村秀三塁手(19=青森山田)も暫定ロースターに入る。