浅尾WBC落選ショックの中日に21日、追い打ちをかけるようなアクシデントが起きた。ドラフト1位福谷浩司投手(22=慶大)が右内転筋を痛め、近日中にキャンプを離脱して名古屋に戻ることが分かった。

 負の連鎖だ。球団幹部はこの日「福谷は内転筋を痛めて近々、名古屋に帰る」と明かした。その言葉を裏付けるように、福谷は2軍読谷球場で別メニュー調整。ブルペンでは足に負担がかからないよう、椅子に腰掛けたままキャッチボールを行った。帰り際、足の状態を問われると「全然、大丈夫です。ハイ!」とだけ答え、車に乗り込んだ。

 17日に右肘を負傷したドラフト4位杉山翔大捕手(22=早大)も同乗していた。ケガの早慶コンビは、近日中にそろって名古屋へ。焦らせて無理をさせてはいけないという球団側の配慮もあるが、福谷までも開幕1軍ピンチとなった。

 ここまでは順調だった。すでにフリー打撃にも登板し、3月2日の本拠地オープン戦開幕となる広島戦(ナゴヤドーム)でのお披露目プランも浮上していた。しかし、これも水の泡。右内転筋は慶大時代も苦しんだ古傷だけに不安が募る。

 救援陣は浅尾が右肩痛を訴え、開幕ピンチの状況だ。同時にWBC日本代表から落選した山井も調整に狂いが生じ、再編を迫られる可能性がある。慶大で守護神を任され、最速155キロの即戦力・福谷には“救世主”の期待もあったが、この夢プランも消滅。セ界屈指の豪華投手陣が、厳しい状況に置かれた。