<阪神2-0DeNA>◇12日◇甲子園

 阪神の無失点記録が止まらない。前夜まで32イニング連続無失点に、先発ランディー・メッセンジャー投手(31)も続いた。DeNA打線を4安打に封じ込む無四球完封勝利。チームは球団新記録の4試合連続無失点で今季初の3連勝(1分け挟む)となった。

 連続無失点イニング記録など、「主役」メッセンジャーの脳裏にはなかった。最後までその表情を緩めず、右腕を振り続けた。二塁すら踏ませない、105球。投手陣がつないできた「0」のタスキを途切れさせなかった。「練習中から、9回全部投げてやろうと思っていた。今日が始まったときから、完投したいと思っていました」と納得顔だ。

 前回登板の5日広島戦で2回5失点KO。試合には勝ったが、延長12回で中継ぎ陣をすべて投入し、守護神久保は4イニングも投げた。だからこそ、完投にこだわっていた。責任感から行動も普段とは違っていた。「(練習を)やらなかったら変だと思う」。この1週間、陽気な右腕はひたすら口をつぐんだ。先発2日後のオフも取らず、リベンジに向け、牙を磨いた。悔しさをバネにした努力が、結実した投球。9回を1人で投げ抜き「ブルペンを休ませるのはすごいいいことだと思いますし、たぶんブルペンのみなさんも感謝してくれてると思います」。恩返しを果たし、胸を張った。

 投手陣は4試合連続無失点の球団記録、球団史上2位タイの41イニング連続無失点と好調だ。助っ人右腕に和田監督も「文句のつけようがない」とたたえた。今日13日からは今季3戦全敗、27イニングで1点しか取れていないデーゲーム2連戦が待つ。「デーゲームだからね。明日、明後日」。和田監督は呪文のように「デーゲーム」を唱えていた。

 ▼阪神は7日広島戦の7回から41イニング連続無失点。阪神が41イニング以上無失点を続けたのは、1リーグ時代の41年4月27日~5月11日の41イニング、42年9月19~27日の52イニングに次いで71年ぶり3度目。9日の巨人戦からは4試合連続無失点となり、甲子園で1点も取られていない。無失点を4試合以上続けたのは11年日本ハムが5試合連続完封勝ちして以来だが、阪神では過去9度あった3試合連続を上回る新記録だ。

 連続試合無失点のプロ野球記録は10年中日と11年日本ハムの5試合、連続イニング無失点は42年阪神と11年日本ハムの52イニングだが、阪神の無失点はどこまで続くか。