<日本ハム4-0西武>◇20日◇札幌ドーム
日本ハムが主砲の豪快弾で連敗を止めた。3点リードの3回。中田翔内野手(23)が5号ソロを放った。好調の西武菊池と真っ向勝負で外角高め140キロ直球を右翼席最前列に運んだ。広い札幌ドームではプロ入り2本目の逆方向への一撃。19試合で5発は自身最多が視野に入る年間38本塁打ペースで、さらなる進化の予感は本物だ。
中田は読み切った。3回1死。直球、チェンジアップ2球を打ち気を消して見逃した。2ボール1ストライクからの4球目をフルスイングで打ち砕いた。右翼席最前列まで、白球は飛んでいった。スタンドから感嘆の声が上がる、逆方向への芸術的な放物線だった。
プロ6年目を迎え、4番に定着して2年目。1球が明暗を分ける修羅場をくぐってきた経験値を、フルに駆使した。菊池との力と力のぶつかり合いを制した決め手を明かした。
中田
変化球が2球続いてきて、(西武バッテリーは)真っすぐでファウルを打たせたいと思っていた(と思う)。外しか待っていなかった。
神経を研ぎ澄ましての読み合いに勝った。西武の捕手・炭谷は「その前の3球が外角だったので、内角待ちをしていると思っていた」と証言する。中田は裏をかき、仕留めた。プロ通算56本塁打目で4本目、札幌ドームでは2本目の右方向への1発だった。最後に頼りにしたのは日本人では突出したパワー。菊池も「力で負けた」と脱帽した。
順調に成長曲線を描き、シーズン序盤から本塁打キング争いを快走している。配球を読み、相手投手と向き合う楽しさに目覚めた。試合中のベンチでは稲葉兼任打撃コーチ、厚沢スコアラーらと「クイズ形式」で球種を予想することも増えた。時にハチャメチャで「そんなボールはないわ!」と先輩たちに一喝されることもあるが、思考を巡らせて打席へ向かうのがルーティンになった。
豪快なキャラクターが災いして、時にお目玉を食らうというオチも愛嬌(あいきょう)だ。「スライダー狙ってくるわ!」。そう相手に聞こえるほど叫んでベンチを飛び出し、たしなめられることもあるという。今季本塁打を放った5戦で、すべてチームは白星。効果的な働きをしていることをデータも実証する。中田は「すべての読みが当たっているわけじゃない。タマタマもある。もっともっと打たないといけない」と、さらに上を目指して戒めた。自覚十分の4番道は、もっと明るく開けていく。【高山通史】




