<ロッテ3-5楽天>◇10日◇QVCマリン

 キーマンの「2番打者」が試合を決めた。1点を追う9回2死満塁、楽天藤田一也内野手(30)がロッテ益田の144キロ直球をはじき返した。「抜けてくれ」。祈った打球は中堅を越え、走者一掃、逆転の3点二塁打となった。土壇場の一打に「2死からつないで、最後まで諦めない気持ちがチームにあった。一番いい形になりました」と興奮気味に振り返った。

 昨季は2番打者を固定できなかった。8番に打撃のいい嶋がいるため、得点圏に走者を置いて2番に回ることが多かった。星野監督も「2番が一番得点圏で回ってくるんだよな」と話していた。2番固定は、得点力アップの鍵だった。この日は、9回2死走者無しから8番の嶋が安打で出塁。そこから安打と四球でチャンスが広がり、最後は2番の藤田が決めた。

 藤田自身、移籍2年目の今季にかける思いは強い。2月のキャンプ序盤で左脇腹を痛めて離脱。直後は絶対安静のため、1週間外出禁止になった。「一番つらかった」が、ストレスもたまる環境で出来ることをやった。宿舎でバットを握る動作を繰り返し、手首の強化は怠らなかった。微妙だった開幕に、不屈の精神で間に合わせた。

 星野監督も「藤田は打つ予感があったよ。益田の落ちる球に手を出さなければ」と信頼して送り出していた。指揮官が「楽天に来て初めて見たよ」という粘り腰で6連勝。貯金2とし、交流戦前の勝率5割も確定だ。キーマンの固まった楽天は強い。【斎藤庸裕】