エースがG倒の先陣を切る。今日2日の巨人戦に先発する阪神能見篤史投手(34)が1日、甲子園で練習し、決意を語った。

 「勝つためにどうするかということを考えないといけない。点を取れないならゼロで抑えて、もし取られても、最少失点で抑えて、うちにチャンスがくるようにしないといけない」

 日本新記録ペースのサヨナラ勝ち7度と、抜群の勝負強さを誇る和田阪神だけに、たとえ先制されたとしても接戦に持ち込めば、チャンスはある。能見は、今季4戦目となる巨人戦を必勝を期すゲームと強調した。

 周囲の気がかりは、巨人がオーダーに谷佳知外野手を加えてきたことだ。40歳のベテランは6月30日ヤクルト戦で1番打者として左腕石川から2安打。巨人で歴代最年長1番打者として勝利に貢献した。能見にとっては打率3割9分1厘の“天敵”だ。それでも頼れるエースはこう言い切った。

 「谷さん1人とするわけじゃないので。いつも言っているけど、線にならないようにどうするかというのが1つのテーマ。基本?

 変わらないですね」

 端正なマスクに笑みすら浮かんだ。前回登板6月25日の中日戦(富山)では4試合連続完投が目前の9回、打球を左足のすねに受けて降板した。負傷は心配なし。その試合で抜群のキレを見せたフォーク、チェンジアップには手ごたえを感じつつあるようだ。

 「なるべく長いイニングを投げるようにしないと」

 いつも通り、完投を意識してマウンドに上がる。3連戦を占う初戦を託された男は、自覚十分だ。【鈴木忠平】