<ソフトバンク3-4日本ハム>◇4日◇ヤフオクドーム

 日本ハム中田翔内野手(24)が怒りの1発で、ルーキー大谷のプロ2勝目を援護した。ソフトバンク戦の8回2死一塁から、左翼席へリーグトップを独走する21号2ラン。直前の乱闘寸前騒動の険悪ムードを、ひと振りで払拭(ふっしょく)した。これで大谷が投げた5試合のうち、4試合で本塁打。「平成のON」の投打競演で、今季初の同一カード3連勝を飾った。

 中田の闘争本能は、マックスだった。8回1死。大引の死球を引き金に、両チームが入り乱れ、乱闘寸前の騒ぎになった。5回に死球を受けた陽岱鋼らが続々とベンチを飛び出し、ソフトバンクの先発大場に詰め寄ろうとした。ここまで3打数無安打の主砲も、こわもてオーラをムンムン漂わせ、静かに歩み寄った。相手右腕は騒動の責任を取って?

 交代。険悪ムードが残る中、稲葉が右飛に倒れて2死、出番が来た。

 モヤモヤを一振りで拭い去った。1、2球目と揺さぶるように外角、内角と変化球。青筋を立て、じっとにらみを利かせ、迎えた3球目。真ん中低めのスライダーを、豪快にすくい上げた。打球は左翼席へ飛び込む2ラン。2番手森福が、がっくりとうなだれる姿を横目に、さっそうと本塁まで走った。「ビッキーさん(大引)見てて気合は入りましたし、どうにかしたいと思った。当てられたら腹立ちますしね」。直前までの鬱憤(うっぷん)を晴らすような一撃に、相手ファンもうなるしかなかった。

 「平成のON」が、投打で競演した。先発大谷が勝ち投手の権利を得て降板。6回に1点差に迫られ、後輩があわや白星を逃す危機に、おとこ気1発で援護した。「1点でも多く翔平のために取りたかった」。ベンチの大谷も、頼もしい先輩の姿に、両手でガッツポーズを作って喜んだ。21本塁打は、巨人阿部の20本を抜いて両リーグ日本人単独トップ。発奮材料があればあるほど、4番のバットにすごみが増す。【田中彩友美】