<中日6-3ヤクルト>◇5日◇ナゴヤドーム

 守道竜がオーナーの逆襲指令に応えて単独3位に浮上した。1点ビハインドの5回2死満塁から6番平田良介外野手(25)が右翼線へ適時三塁打を放ち逆転した。その後は中継ぎ陣が踏ん張り、投打がかみ合って勝利。この日、ナゴヤドームを訪れた竜の総帥・白井文吾オーナー(85)は「まだ半分あるから取り返すのはわけない」と断言したが、その言葉通りの粘り勝ちだった。

 逆襲指令に竜ナインが応えた。試合前の表彰式に出席するために球場を訪れた白井オーナーはネバー・ギブ・アップの精神を口にした。「まだ半分あるから取り返すのはわけない。まだ完璧じゃない。ケガした選手が戻ってきたら、猛然と反撃に出る。そう期待している」。低迷するチームへの巻き返し指令-。この日、試合を最後まで見届けることはなかったが、高木監督ともガッチリ握手し激励した。

 そんなオーナーの言葉を知ってか知らずかナインは、ノリノリだった。1点ビハインドの5回2死満塁。ヤクルト中沢のシュートをおっつけて右翼線に流し打った。平田は「前の打席も同じボールで打たされていたので」と狙いを絞っての痛快打。走者3人が生還して逆転に成功した。

 直後の6回守備では1死一、二塁のピンチで前夜のヒーロー荒木が二遊間の打球をダイブ。そして横っ跳びからベースカバーに入った井端に寝ころびながらパス。好プレーでヤクルトの反撃の芽を摘んだ。7回には2死一、二塁から左翼へ平田の2本目のタイムリーで二塁走者クラークが激走。本塁でひらりとミットをかわす絶妙な技も飛び出した。見どころ満載の逆転勝利で単独3位に浮上した。

 守道節も久しぶりに戻ってきた。試合後にインタビュールームに現れた指揮官はすぐにえびす顔になった。2試合連続の逆転勝ち?

 「そりゃうれしいですよ」。最近はなかった満開の笑顔が飛び出した。話題が単独の3位浮上に及ぶと「狙っとるのは1位だで」と名古屋弁でどや顔。すぐさま「今のは、なし!

 書かんといて。笑われるで」と上機嫌で周りを笑わせた。お立ち台に上がった平田も指揮官と気持ちは同じようで「まだ半分あるんで頑張りたい。狙ってるのは3位じゃなく優勝です」と言い切った。借金を1ケタに戻した守道竜が、ようやくノッてきた。【桝井聡】