<ソフトバンク5-4日本ハム>◇28日◇ヤフオクドーム

 日本ハムが今季2度目の6連敗を喫した。1点リードの8回に大引啓次内野手(29)の適時失策で同点に追いつかれると、増井浩俊投手(29)が、ソフトバンク山崎に勝ち越しの適時内野安打を許した。上位進出のカギとしていた後半戦スタートの5連戦は、全敗。借金は再び6にまでふくらんだ。

 頭の中で前向きな言葉を探しても、どこにも見つからなかった。悪夢のような敗戦後、栗山英樹監督(52)の表情は、能面のように感情をなくしていた。「ミスは減らしていかないといけない。苦しいときはきちっとしたことをしっかりとできるかどうか。そういうことができなければ負けにつながるわけだから」。勝ちゲームを、自分たちのミスで失った。「以上!」。怒りと悔しさを飲み込み、自ら会見を打ち切った。

 8回に、状況が一変した。1点リードでセットアッパーの増井を投入。ヒットと死球で1死一、二塁と走者は背負うも、ラヘアを投ゴロに打ち取った。だが「1-6-3」と渡って併殺となるはずが、二塁ベースカバーの遊撃・大引が、一塁へ悪送球。ボールがファウルゾーンを転がる間に、同点の走者がホームを踏んだ。直後に今宮、山崎に連打を浴びて、後半戦初白星は手のひらからこぼれ落ちた。

 一塁走者・江川のスライディングを避けようとして起こったミスとはいえ、大引は「明らかな自分のミス。チームに申し訳ない」と頭を下げた。失点にはつながらなかったが、6回にも小谷野が失策を犯しており、チームは3試合連続2失策と堅守は崩壊。三木内野守備コーチは「大引1人の問題じゃない。チーム全体でやっていかないと」と危機感を募らせた。

 今季2度目の同一カード3連敗を喫し、球宴を挟んで6連敗。借金は6までふくらんだ。明日30日ロッテ戦(QVCマリン)の先発は、投打「二刀流」で奮闘する大谷。連敗ストップを19歳の高卒ルーキーに託さなければならない現状が、寂しい。【本間翼】