<ロッテ5-9日本ハム>◇30日◇QVCマリン
情けを捨てた。日本ハム栗山英樹監督(52)は、迷うことなく三塁側ベンチから歩み出た。大谷の乱調を打線が救い、再び1点のリードを奪った直後の5回。勝利投手の権利まであと1回だった大谷を降板させた。「ここから上のチームを落としていかないといけないんだから」。最下位に沈むだけに、白星至上に徹した。2番手のルーキー河野から、テンポよくタクトをふるった。
薄氷の1勝への最大のヤマ場で、熱血指揮官の豪腕がさく裂した。7回。3番手石井が1死一、二塁のピンチを招くと、続く井口、今江対策でセットアッパー増井を投入。2死一、二塁として四球を与え、満塁とすると果敢に動いた。宮西を送り、完ぺきに的中する。サブローを遊ゴロでしのぎ、8回も3者凡退。5回以降の無失点リレー、9回の追加点を奪う攻撃へのリズムをつくった。
今季3勝目の宮西は心を揺さぶられ、荒れたマウンドを守り抜いた。「投手陣が試合をつぶしてしまっていた。今まで5年間も投げさせてもらっているんだから」。1年目から昨季まで5年連続シーズン50試合以上登板のスペシャリスト。開幕直後は不調で、新戦力になった矢貫らに負担をかけ、責任を感じていた。この日までの6連敗は増井、矢貫ら中継ぎ陣の乱調が1つの要因。「苦しい時は僕がカバーしないと」との、おとこ気が首脳陣の思いと重なり、結果になった。
終わってみれば快勝でも12残塁の拙攻と、重い流れだった一戦。栗山監督は「こっちの流れをつくっていかないといけない」と、あがきながらのネバー・ギブアップを宣言した。反攻の夏への胎動にする。【高山通史】



