5連勝中の中日高木守道監督(72)が5日、好調の2年目高橋周平内野手(19)を残り全試合に先発起用する考えを明かした。“勝ちながら育てる”方針のもと、ルナとクラークもレギュラー固定する方向。内野の残り1枠は井端、荒木、森野の生え抜き中心選手で争う戦国図式になる。今日6日は初代城主の徳川家康をはじめとし、出世城伝説もある浜松でのヤクルト戦。竜の若武者が新時代を切り開く。
周平をスタメンで使い続ける。守道監督が決断を下した。
「シーズンの最後まで出したいと思っとるよ。打てなくたって内容があれば使いますよ」
残り49試合。売り出し中の19歳をレギュラーに固定する。この10年来、アライバや森野、外国人らで独占してきた内野の一角にニューフェースが割り込む。
決断させたのはあの1発だ。1日阪神戦で放った逆転グランドスラム。甲子園のバックスクリーンに弾丸ライナーで突き刺した。
「あのホームランはいろんな意味で大きいよ。本人も自信になっとるし、周りの目も違う」
後半開幕から2試合限定のテスト生扱いで昇格させた。だがあのド級弾、さらには5試合連続ヒット中の姿に監督自身が一番見る目を変えた。
勝ちながら育てる難題に挑む。「相手投手の左や右で出たり出なかったりの選手にしてはいかん。守備は少々目をつぶっても打撃を生かさんと」。まだ粗削りで駆け引きできる場数も踏んでいないが、間違いなく将来、4番を打つ男と再確認した。今季限りで退任する指揮官は、CS進出&4番育成のWクリアを置き土産にする意気込みだ。
周平余波で豪華バトルもぼっ発する。高橋周は遊撃中心の起用となる見込みで、三塁ルナと一塁クラークも固定する方針。残り1つの二塁枠を井端、荒木、森野で争う図式となる。落合監督時代に4度のリーグ優勝を導いたベテランV戦士同士のサバイバル戦。この中から2人が控えに回るのは、衝撃的でもある。
周平にはユーティリティーも求める。「セカンドは併殺の動きは難しいけどあとは簡単。周平にはセカンド、ショート、サード…と全部特訓させるか」。終盤の守備位置変更や有事も想定し、内野全4ポジションの可能性を明言。高まる期待に、自主練習に参加した高橋周も表情を引き締めた。
「打たないと次のチャンスはないと思う。ポジションはどこでも頑張るだけ。全試合出るつもりで頑張ります」
今日6日、ヤクルト戦を戦う浜松には、初代城主の徳川家康や、天保の改革を行った水野忠邦をはじめとする出世伝説が残る。竜の若武者がレギュラー争いを統一し、新時代を切り開く。【松井清員】



