<楽天1-2オリックス>◇7日◇Kスタ宮城

 これぞエースだ!

 オリックス金子千尋投手(29)が、7回2安打無失点で9勝目をゲット。3者連続三振を2度も記録する10Kの奪三振ショーを演じた。首位を独走する楽天の連勝を7で止め、自身2年ぶりの2桁勝利に王手をかけた。前日6日に53歳の誕生日を迎えた森脇監督も、最高のプレゼントに「よく粘った」と最敬礼だった。

 金子は粘りに粘った。6回、1死満塁の大ピンチでマギーを併殺に打ち取ると、グラブをたたいて拍手を送り、好守を見せた二遊間コンビと両手で同時にハイタッチ。0-0の投手戦。先制点が勝敗に直結しかねない場面で、段違いの集中力を発揮した。

 「打たれた瞬間はどうかなと思ったけど、よく守ってくれました。四球で満塁にしてしまったので、多少悔いは残りますが、何とか踏ん張れたことが大きかったと思います」

 130球の奪三振ショーだった。最速149キロの直球に加え、得意のチェンジアップが効いた。緩急自在の投球で7回2安打10奪三振。首位を独走し、勢いに乗る楽天の連勝を7で止めた。これで楽天戦通算15勝2敗と相性は抜群。自身2年ぶりの10勝にも王手をかけた。

 エース道を極めている。ボールにしようと投げた球や、ボールと感じた球がストライクと判定されると、複雑な感情になるという。「性格の問題なんでしょうけど、なんか申し訳なくなるんですよね」。組み立てにもよるが、次球であえてボール球を投げてやり直すことさえある。チームが勝つことに何より重点を置く金子ではあるが、自信のあるボールで打者をねじ伏せることにこだわりを持つ。それでアウトを取ってこそ、金子なのだ。

 前日6日に53歳の誕生日を迎えた森脇監督も、エースから届いた白星に感謝した。「金子でなければ耐えられなかったというくらい重かった」。6日に食べた誕生日ケーキには「5」と「3」のろうそくが立っていた。「5位から3位だね」。指揮官が口にした抱負は冗談ではない。反撃のノロシが、仙台で高々と上がった。【池本泰尚】