<広島0-1阪神>◇8日◇マツダスタジアム
虎が死力を尽くし、苦境をまたまた乗り越えた。延長戦に突入した広島戦。延長11回に俊介外野手(25)が決勝打を放って、死闘にケリをつけた。投げては6投手が無失点リレー。ベンチ入り野手が全選手出場する総力戦で、自力V消滅危機を回避した。巨人も勝って7・5ゲーム差は変わらない。それでも、望みがある限り、虎は全力で白星を奪い、ミラクルVに挑戦していく。
今年の虎は意地を見せる。「総力戦」を制した阪神和田豊監督(50)は「最後の1人も使って、執念というか、選手が最後までよくやってくれた」とたたえた。ベンチ入りの野手をフル動員し、投手も藤浪ら残り3人。4日と7日に続き、負ければ自力優勝消滅だった危機で踏みとどまった。巨人のマジック点灯を阻止した。
伏兵が決めた。延長11回、ゼロ行進にケリをつけたのは途中出場の俊介だった。無死一、三塁。広島今村の内角低め147キロを逆らわずに右前へ運んだ。「前の打席で引っ掛けていたので、つなごうと。とにかく僕はやるしかないので」。大卒4年目が必死にバットを出し、高校時代を過ごした広島で殊勲者になった。
新人だった10年に124試合に出た。期待の星も尻すぼみ。今年は背番号7を西岡に譲り、オフには近大時代の恩師に「生きる道を探れ」と言われた。開幕から守備固めや代走起用でも腐らず、ベンチでは高音の声を欠かさない。大和の負傷で先発した7月17日巨人戦では3安打2打点。その時に監督賞をポンと出した和田監督も、目を細めた。
和田監督
当てさえすれば、という感じで(三塁走者の)大和がいいスタートをしていたけど、よく食らい付いて打ってくれた。7回に勝負にいってしまったので守備固めのような布陣になった。後半あれだけチャンスがあったのに、ホントに、ホントに遠かったな、ホームが。
貧打のち拙攻だった。6回まで左腕中村恭に1安打。一転して7回、無死満塁と攻め立てた。迷わずに代打桧山。打ち損じた5球目の邪飛は、広島キラが落球した(記録は失策)。見事な「アシスト」も、6球目を一ゴロ併殺打。8回は無死一塁で今成が送ることができずに併殺、10回はタイミングはセーフだった田上の本塁突入がブロックで防がれた。嫌なムードも、先発秋山と強固な救援陣が踏ん張った。無失点リレーで最後の見せ場を演出した。
和田監督
秋山も今日はしっかり投げてくれた。そのあとはリリーフ陣が踏ん張ったから、こういう試合ができた。ジャイアンツがどうのこうのより、うちはうちの試合をして、離されないように下旬に東京ドームへ行く。それだけ。
残念ながら、巨人はまた勝った。ゲーム差7・5は、なかなか縮まらない。反省も喜びもいっぱいだった4時間24分。全員で懸命に勝利をつかんでいけば、何かが起きる。そう信じて、和田阪神は真夏のロードを戦い続ける。【近間康隆】
▼阪神が勝ち、自力優勝の可能性を残した。ただ、今日9日以降も自力Vの可能性が消滅する危機が続く。9日に阪神が中日戦●で巨人が広島戦に○または△なら、巨人にマジック39が点灯。この場合、阪神が以降の残り48試合に全勝しても100勝42敗2分けで最終勝率7割4厘。巨人が残る阪神戦7試合に全敗しても、他との対戦39試合に全勝すれば、いずれも勝率で阪神を上回る。



