<日本ハム10-3ソフトバンク>◇17日◇帯広
日本ハムが誇る「新世代のON」が、北海道・帯広で豪華競演だ。大谷翔平投手(19)と中田翔内野手(24)の「4、5番コンビ」が6安打5打点でソフトバンクを粉砕。7日以来の野手スタメンで出場した大谷は5回に苦手摂津からV打を放つなど2安打2打点。済美の157キロ右腕、安楽智大投手(2年)を攻略した母校花巻東の勢いに乗っかった形だ。チームは3連勝を飾った。
「優等生」大谷が、「ヤンチャ」な先輩中田とお立ち台に立った。ツーショットが、帯広で初めて実現。インタビュアーに「早くから並んで大谷選手を見に来たファンがいた」と振られると、「うれしいです。中田さんに打っていただいて、楽にさせてもらった」と、先輩を立てた。すかさず中田に「…僕のために待っててくれた人はいないんですか?」と自虐的な笑いをとらせるなど、ファンを喜ばせた。
1点を追う、5回1死一、二塁から中田の左中間を破る適時二塁打で同点。悩める大谷が進化を見せる。ソフトバンク摂津の“宝刀”シンカーを痛烈なライナーで右中間へ運んだ。実に26打席ぶりの適時打は決勝打。「結果が出ていなかったので、いいところで打ちたかったです」と素直に喜んだ。
どっしり構える4番中田の後ろは座り心地いい。5番で起用されると、30打数13安打、打率4割3分3厘。圧倒的に高い数字を残す。ネクストバッターズサークルから感じる、主砲のすごみ。「中田さんは何でも打つような雰囲気を持っている。(前で)打ってくれて、いい流れでいけた」と振り返ったように、先輩の勢いを借り、そしてたたみ掛ける。
その中田も7回、本塁打王争いトップを守る26号2ランを放ち、今季4度目の4安打で3打点。帯広では4年連続の1発となり「たくさんの方が見に来てくれるので、気合が入る」と力を込めた。
お立ち台では笑顔の2人だったが、母校は甲子園で明暗を分けた。この日の3回戦にそろって登場。花巻東は済美を破ったが、中田の大阪桐蔭は連覇の夢がついえた。大谷は練習中、左腕石井から勝利を伝えられた。昨夏、自身は岩手大会決勝で敗れている。周囲にいた先輩からは「翔平がいなくなって強くなった」と皮肉を込めていじられ、この時ばかりは苦笑いを浮かべた。「勝ってくれてうれしかったし、自分も負けないようにがんばります」と大きな刺激をもらい、不振脱出のきっかけとなるマルチ安打となった。
スター性も十分な「日本ハムのON」の競演で、5位に低迷するチームは1カ月半ぶりの3連勝。沢村賞男・摂津から決勝打を放ったルーキーは「勢いにのっていける。明日(18日)も今日のようなゲームができればいいです」。日本球界を支え続けた王、長嶋にはまだ遠く及ばないが、期待を抱かせるだけの素質を秘めていることは、帯広の地で証明してみせた。【本間翼】



