<西武3-2楽天>◇17日◇西武ドーム
西武が“肉弾戦”を制した。同点の9回2死一、二塁から代打の大崎雄太朗外野手(28)が楽天4番手の金刃から右前適時打を放ち、サヨナラ勝ちした。二塁走者の浅村が本塁ブロックを猛スライディングでこじ開け、ホームインした。タイミングが微妙だった本塁激突のクロスプレーが3度あったうち、2度の生還に成功。気迫を前面に押し出した走塁もあって、連敗を4で止めた。
大崎のサヨナラ打は「みんなハードだった」という気迫の走塁に後押しされたものだった。楽天捕手の伊志嶺と激しく交錯した本塁クロスプレーが3度。キャプテン栗山が「今はそんなに点が取れない。攻めた結果」と鬼の形相で飛び込んだ激走から始まった。
<1>栗山
1点リードの1回1死一、三塁。一塁走者・浅村が二盗し、送球が乱れる間に三塁走者・栗山が本塁へ。タイミングはアウトだったが、伊志嶺を押し倒し、ミットからボールがこぼれて2点目をもぎ取った。
<2>渡辺
同点の9回1死一塁。浅村の左中間二塁打で、一塁走者・渡辺が体ごと伊志嶺にタックルしながら足を伸ばしたが、本塁憤死。タイミングは微妙だったが、中継に入った松井のストライク返球に阻まれた。
<3>浅村
1度はサヨナラを阻止された9回2死一、二塁。大崎の右前打で、二塁走者・浅村が本塁に突入。低いスライディングで伊志嶺のブロックを吹き飛ばし、ホームイン。間一髪のタイミングで、右翼・岡島がやや送球にもたついた。
いずれも共通していたのは逃げず、回り込まなかったこと。外国人選手によく見受けられる、捕手の上半身に狙いを定めた危険なタックルはない。また遠い距離から滑っても、ブロックに跳ね返される。キャンプからしつこく練習してきた「自分がけがをしない、近く、強いスライディング」を実践し、勝利への扉をこじ開けた。
首位チームに真っ向からぶつかり、何度もファイティングポーズをとった。楽天は6月27日の一戦で乱闘騒動を起こした“因縁”相手でもある。しかも前日16日に4連敗で自力Vが消滅したばかり。渡辺は「自力Vなんかすぐ復活しますよ」と力強く言った。再び反撃へ。沈滞ムードをも吹き飛ばすような気合満点のスライディング3連発だった。【柴田猛夫】



