東京ドームでグラティ連発!!

 今日27日から5ゲーム差の首位巨人と3番勝負に臨む阪神が26日、本塁打を放った選手を出迎える際の決めポーズの愛称を発表した。感謝を意味する英語の「Gratitude」をアレンジした「Gratiii(グラティ)」。発案者の関本賢太郎内野手(35)と西岡剛内野手(29)は記者会見で「ファンと一体となって」と口をそろえた。さあ決戦だ。「グラティ旋風」が吹き荒れれば、おのずと頂点が近づいてくる。

 大歓声とともに、東京ドームの左翼席、三塁側席が黄色い波で揺れに揺れる。合図を出すのは、勢いづく阪神ナインだ。巨人に1発を見舞った勇者を手荒く祝福。そして、おなじみの決めポーズをさく裂する。「グラティ!」の叫び声とともに、両手の3本指を天へと解き放つ。

 今日27日から王者巨人と直接対決。5ゲーム差をいかに埋めるか。胸突き八丁の大一番を戦う直前に、景気づけの話題を提供した。開幕から本塁打を放った選手を出迎える派手なパフォーマンスの名前が、ようやく明らかになった。合言葉は「Gratiii」。チームに浸透させた西岡はルーツを明かす。

 「実は関本さんの発信です。2人の問題だったけど、チームに浸透してしまった。ファンの声援に対して何かの形で応えたかった」

 阪神ファンのモヤモヤを解消するツヨシの説明を聞こう。2月の沖縄・宜野座キャンプのこと。新加入の西岡が関本にあいさつすると、いつも親指、人さし指、中指を立てて手を挙げるジェスチャーで返された。「何をしているのかなと思って。かっこいいと思っているのか、カッコをつけているのか」。キザなしぐさを面白がった西岡がオープン戦で安打を放った際などにまねした。そこからチーム内に浸透。開幕直前に2人でいまのポーズを考案した。

 当初からネーミングを球団に問い合わせるファンが出るなど、爆発的に浸透した。西岡は「8月に発表します」と“封印”し、大勝負直前という絶妙なタイミングで発表した。「今日が関本さんの誕生日なので。そんな重大発表じゃない」と照れ笑いした。巨人との3連戦について話題を振られると、表情は険しくなった。

 「巨人を見据えてます。巨人戦に向けて体調を完璧に整えて、全身全霊をかけて戦いたい。プレーオフに出ることを目指すチームじゃない。リーグ優勝を本気で目指してますから」

 ベールに包まれていた決めポーズ「グラティ」が名づけられ、選手も虎党もスッキリ。さあ、決戦に挑もう!

 重量打線を相手に、空中戦でも1歩も譲らない。今季、東京ドームでは両軍ともに10本塁打。敵地ながら6勝3敗と大健闘だ。猛虎軍団を鼓舞する「グラティ」が逆転Vのフレーズになる。【酒井俊作】