<日本ハム11-5ソフトバンク>◇5日◇東京ドーム

 満塁弾で危機回避した。日本ハムは1-4で迎えた2回2死満塁で、プロ7年目の大引啓次内野手(29)が自身初のグランドスラムとなる逆転満塁本塁打を放った。ソフトバンクに敗れれば、自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅した一戦で、2ケタ得点を呼び込んだ。チーム今季6本目の満塁アーチは90、05年と並び球団最多。3カードぶりの勝ち越しとなった。

 チームの危機を救う一撃が、日本ハムファンで埋まった右翼席へ勢いよく飛び込んだ。1-4で迎えた2回2死満塁。大引がプロ7年目で初となる逆転の満塁アーチを放って、劣勢をはね返した。「昨日4点差をひっくり返されていたので、今日はやり返そうと思った」。負ければ、自力でのCS進出が消滅する危機的状況。2桁得点で“倍返し”のヒーローとなった背番号7は、お立ち台で胸を張った。

 負けん気で打った1発だ。低めの直球に空振り三振した1打席目の反省が生きた。「プロである以上、同じボールでやられるわけにはいかない。追い込まれたので、より中堅から逆方向へという意識が強くなった」。この回だけで大量6点を奪い、8回も大引の適時打など、この試合2度目の打者一巡の猛攻。着用した復刻ユニホームにふさわしい「現代版ビッグバン打線」のキーマンとなった。

 実家は、大阪・長居駅の近くで創建2000年という由緒ある神須牟地(かみすむち)神社。「祭っているのは医薬とお酒」。公認会計士と権禰宜(ごんねぎ)と“二足のわらじ”で歴史ある家系を守るため奮闘している兄のおかげで、大好きな野球を続けられていることに感謝している。

 日本ハム移籍後、うれしかったことがあった。交流戦期間中、阪神戦を観戦するため北海道から応援旅行に訪れていたファンの多くが、実家の神社へと立ち寄り、チームの勝利を祈って行ったのだ。「北海道のファンは本当に熱心。移籍してきたばかりなのに、チームの一員として認めてもらっているというか、応援してもらっているんだなと感動しました」。大阪で生まれ育ち、愛着のあったオリックスを離れてやって来た新天地。新たなファンの歓迎に応えるためにも、2連覇を諦めるわけにはいかない。

 打って良し、守って良し、走っても良しの超攻撃型2番は、キャプテンシーも持ち合わせる。お立ち台で、今日6日楽天戦(Kスタ宮城)で先発予定の2投手に触れ「田中将大投手は負けが付いていないので、うちのゴールデンルーキー大谷を、何とか援護して白星を付けてあげたいです」。気合十分、チームのムードも最高潮。注目の一戦で、無敵の相手を打ち破る準備は整った。【中島宙恵】

 ▼日本ハム大引が自身初の満塁本塁打を放ち、チームでは今季6本目。シーズン6本の満塁弾は90年(広瀬、嶋田信、古屋、田中幸、中島、ウインタース)、05年(高橋2、新庄、小笠原、木元、金子誠)に並び球団最多。満塁アーチが出た試合は今季6戦6勝と無敗を継続。ただ、90年は4位、05年は5位とBクラスに終わっている。