<日本ハム11-5ソフトバンク>◇5日◇東京ドーム

 喜びは一瞬だった。ソフトバンクの奇策は2回の攻防で結末を大きく変えた。黒星を手にした秋山監督は失望感に包まれていた。「キムだろ。2回でいいと言ってるのに持たない。困ったな。気持ちかな。精神力が足りない。期待して送りだしているんだから。勝っている時と負けている時で投げている姿が違う。チャンスなんだから。必死につかまないと」。

 2回表に打線が4点先制した。リリーフの金無英投手(27)がプロ初先発する特別プランで、理想的な展開だった。しかし、ベンチも客席も抱いた期待はその裏にがらがらと崩れ落ちた。

 先頭打者の小谷野を歩かせてしまい、1死一、二塁で大野に適時打。さらに2死満塁で大引にグランドスラムを許した。陽岱鋼にこの試合4個目の四球を与えたところで、交代。残った走者も2番手・江尻がかえしてしまい、金無英は1回2/3で6失点と見事に逆転KOされ「最初から飛ばして行くつもりだったのですが、こういう結果になってしまい残念」と責任を背負った。

 先週先発した6投手のうち摂津と武田以外が出場選手登録を外れ、コマ不足に陥った。この試合前まで、チームの先発防御率はリーグワーストの4・01、逆にリリーフ時は同トップの2・56。首脳陣は2軍から先発昇格より、安定したブルペン総動員で急場をしのぐことを選んだ。1打席ごとに対戦投手が変わり、打者は的が絞りにくくなる効果も狙ったが、8回に山中と星野がつかまり、5失点ととどめを刺された。

 前日4日は6時間1分を戦い、終了は夜中0時を過ぎていた。疲労を抱えながら、6連戦の真ん中でウルトラCに挑み、散った。さらに、2試合で10時間2分を費やし、延べ16投手を起用した継投のダメージは今後の戦線に影響を与えそうだ。【押谷謙爾】