<楽天7-5日本ハム>◇7日◇Kスタ宮城
楽天が鬼門突破で、初のリーグ優勝へスパートをかけた。エース田中将大(24)の登板日の次戦は8勝14敗と分が悪かったが、序盤の大量点を生かして逃げ切った。星野仙一監督(66)は、田中登板日の次戦で休ませることの多かった正捕手・嶋基宏捕手(28)を、スタメンで起用。好リードと2回の適時打などで期待に応え、チームの3連勝に貢献した。チームは優勝マジックを1つ減らして19とし、貯金も今季最多の21に伸ばした。10日から始まる2位ロッテとの3連戦を前に、突き放しにかかった。
監督の期待に正捕手が応えた。1点リードの2回、無死一、三塁のチャンス。打席には嶋。制球に苦しむケッペルから中前へのクリーンヒットで追加点を奪った。ベンチでは星野監督が両手をたたいて拍手を送った。「序盤の得点が効いたね。よく決めてくれた」。3回までに7点を奪い、主導権を握った。
鬼門突破へ手を打った。前日6日は、エース田中が世界記録となる開幕20連勝を達成した。問題はその後だった。試合前の時点で、田中の登板日の次戦は8勝14敗と分が悪かった。理由の1つに「嶋欠場」もあった。毎回、田中の記録更新がかかる試合でのリード。プレッシャーもかかる。7月以降、星野監督は「キャッチャーが一番疲れる」と、田中の登板日翌日は嶋を休ませてきた。代わりに、岡島、小山桂、伊志嶺を起用してきたが、4戦全敗だった。
嶋の休養は、1年間戦ってもらう必要があるからこその措置でもある。5位日本ハム相手なら、休み時だったかもしれない。だがこの日は、休ませずにスタメンで起用。試合前、「田中の次の日勝ってたら、15連勝ぐらいしてるよ。全部失敗してる」とボソリと漏らした。頼りは嶋だった。
いきなり期待に応えた。1回の守備だ。1死一塁から、二盗を試みた大引を嶋が素早い送球でアウトとした。流れをたぐり寄せ、序盤の大量点につなげた。リードでは「テンポ良く投げてくれたら」と、先発辛島の投球を受けてから、いつも以上に早く返球。リズムを作った。7回に捕手の鶴岡に3ランを打たれ、同監督から「捕手によく打たれるな。嶋と(話が)出来てんのか」と言われたが、これも愛情の裏返し。星野流の叱咤(しった)激励だ。
これでチームは引き分けを挟んで3連勝。今日8日は、12勝(7敗)を挙げている則本が先発する。雨天中止で5日の登板が流れ、10日からの2位ロッテとの3連戦初戦に回すことも可能だったが、あえて日本ハム戦に当てた。残り25試合、嶋ら主力も、勝ち頭のルーキーも惜しみなく起用する。ロッテ戦前に連勝を重ね、一気に畳み掛ける作戦に出た。【斎藤庸裕】



