<中日4-1ヤクルト>◇7日◇ナゴヤドーム

 守道監督のボヤキが聞こえたのか。中日が若手の活躍でナゴヤドーム連敗を4で止めた。急きょスタメン出場した3年目吉川大幾内野手(21)がスイッチ転向後初の左打席安打&プロ初盗塁をマークするなど活躍。25歳平田の特大アーチに、24歳堂上直も適時打を放つなど20代が奮起した。試合前「プロの自覚が…」と嘆いていた高木監督もご満悦だ。

 試合前の不機嫌そうな表情はすっかり笑顔に変わっていた。理想的な先行逃げ切りのパターンに、高木監督もうれしくて仕方がない。「ここのところピッチャーが苦しんでいたからね。先制してというのは大事なこと。初回にいい点の取り方が出来たからね」とツヤツヤの顔はもう笑顔、笑顔だ。

 トラブルが発生したのは試合前の打撃練習中だった。22発男クラークが腰痛を訴え、ベンチスタートが決定。前日、二塁を守った森野を一塁へまわして二塁には「足もあるし、当てるのは悪くない」(高木監督)と3年目吉川をスタメン起用することが決まった。

 その吉川が流れを呼び込んだ。1回1死からスイッチ転向後初の左打席安打を放つと、プロ初盗塁でチャンスメーク。和田の先制適時二塁打をお膳立てした。7回の中前打でプロ初のマルチ安打というおまけつき。背番号3を背負う21歳は「1打席目に思い切って振れたのが良かった」と目尻を下げた。6回には高橋周、堂上直の連打でダメ押し点を挙げるなど近未来打線が輝いた。

 実は試合前の高木監督はぼやきっぱなしだった。「NHKかな?

 あるやろ。プロのなんちゃらって。アレ若いやつに見せてやらないかん」とテレビ番組「プロフェッショナル」を若手に見せてプロ意識をたたき込むプランを披露。打っても響かない、と球団通訳を呼び寄せて「俺の通訳してくれよ。選手に」と言い出す始末だった。激しいCS争いのなかで若手の勢いは不可欠。指揮官にとっても、この日の勝利は心地よかったに違いない。【桝井聡】

 ◆吉川大幾(よしかわ・だいき)1992年(平4)8月21日、大阪市生まれ。PL学園で2年春夏に甲子園出場。10年ドラフト2位で中日に入団。高校の先輩・立浪の背番号3を引き継ぐ。右投げ右打ちだったが昨季途中から両打ちに転向。今季推定年俸は700万円。175センチ、70キロ。