ヤクルトは29日、小川淳司監督(56)に1年契約での続投を要請し、受諾された。来季は内部での入れ替えに外部招聘(しょうへい)とコーチ陣の刷新が検討されており、2軍監督候補に池山隆寛打撃コーチ(47)が浮上していることが分かった。真中満2軍監督(42)が1軍ヘッド格か打撃部門に昇格の見込み。1軍と2軍の連携強化を図りつつ、将来の監督候補らに経験を積ませる狙いもあるようだ。

 ヤクルトが来季に向けて、動きだした。衣笠球団社長がこの日の試合前、成績不振の責任から辞意を漏らしていた小川監督と会談し、来季の続投を要請した。監督就任3年目の今季は初めてクライマックスシリーズ(CS)進出を逃すなど最下位に低迷中。だが10年途中から監督代行として立て直し、監督になった11年からも2年連続でAクラス入りした実績を評価した。

 小川監督は会談後、「責任を取らないといけないかなという思いと、このままでは悔しいという思いがあった。ラストチャンスをいただけるということで『お願いします』のひとことでした」と不退転の決意を語った。コーチ人事については球団に一任する模様だ。

 同社長は「監督そのまま、コーチそのままにはならない。コーチ陣の刷新は求められる」と首脳陣の入れ替えを示唆。「順番としてこれから」と本格的に組閣に着手する予定だ。

 改革で主要ポストの1つといえる2軍監督の候補に挙がるのが池山打撃コーチだ。今季から1軍打撃コーチに就任し、故障者が続出する中、山田や上田といった若手が台頭。バレンティンが本塁打のプロ野球新記録を達成するなど、打撃部門で成果を出した。一方で、イースタン・リーグでチームを優勝に導いた真中2軍監督が1軍のヘッド格か打撃部門に昇格する方針であることも判明した。1軍、2軍のそれぞれを知る両者を新ポストに据えることで連携を強化し、チームを底上げする狙いがある。低迷打破へ「1軍小川&2軍池山」の新鮮な顔ぶれで再出発することになりそうだ。