<オリックス6-11日本ハム>◇29日◇京セラドーム大阪

 来季につながる希望の白星になった。日本ハム中村勝投手(21)が、今季8度目の先発で待望の1勝目を手にした。打線の大量援護を背に力投。4失点も今季最長6回1/3、最多111球の粘投が実った。真っ先に浮かんだのは、栗山監督への感謝の思いだった。「ずっと使い続けてくれた。この1勝を機に、また頑張っていけたら」。言葉に詰まりながら、やっと1歩を踏み出した。

 今季は壁の連続だった。先発ローテーションの一角としてスタートしたが、4連敗。中継ぎへの配置転換や2軍生活も余儀なくされた。わずか6球で危険球退場となった4月29日オリックス戦。翌日に出場選手登録抹消となったが、強気のスタイルは崩さなかった。「あれで内角を投げられなくなったら、僕の投球が出来なくなる」。原因不明の右肩痛に悩まされた時もあったが、必死に前を向いてきた。

 悲願の1勝で、再スタートを切った。結果が出ず苦しんでいた時、栗山監督からは「殺す」「裸にして海に突き落とす」と期待の裏返しの強烈なジョークで突き放されてきた。この日の試合後のハイタッチの列でも「殺す」と、笑顔で最上級の“褒め言葉”をもらった。「まだまだ期待に応えられていない」。今季1軍ラスト登板となったが、恩返しはまだ始まったばかりだ。【田中彩友美】