最初の1球にこだわれ。巨人原辰徳監督(55)が9月30日、川崎市内のジャイアンツ球場で行われた全体練習前に、選手、コーチを集めて約5分間、ゲキを飛ばした。優勝が決まってから、隙を見せるプレーが続いているチームに対し、練習で1日に1度しかない初球を大切にするよう諭した。クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズへ向け、ここからスイッチを切り替える。
練習開始を前に、原監督が全員を集めた。選手の輪の中心に入って語り始めた。「変則日程が多いから、しっかり調整して実戦に近い練習をしよう。今日の練習の中で1本目を大事にしてほしい」。最初は静かに語り始めたが、話はだんだんと熱を帯びていった。
身ぶり手ぶりが交ざった。「バッティングの1球目」と言いながら、その場で打つ姿勢に入り、「ゴロの1球目」と言っては捕球姿勢を見せた。また「ブルペンだったら初球」と言いながら投球フォームを披露。その後に続けて「これに全力で入れるよう、準備をしっかりしてくれ。1日に1回しかないのが、その1球だ。それを頭に入れて練習に取り組んでくれ」と選手たちに言い聞かせた。
このへんでチームを引き締めたい狙いがあったのだろう。優勝が決まってから、原監督が「恥ずかしい」と評する試合が続いた。先発投手は早い回で大量失点し、守備でも左前打で一塁走者をホームに返してしまうなど、緻密な野球をしてきた巨人らしくない場面が目についていた。
この日、打撃練習の時間を通常6分から1人20分に増やすなど、質、量ともに充実させた原監督は「最初の1球というのは、もう一丁というのが利かない。そこに集中することができれば、より実戦に近い練習にすることができる。例えばそれが365日積み重なれば…」と、言葉の真意を説明した。ここからCSまで、巨人は最初にこだわる。そこを大事にすることで戦う姿勢に入っていく。【竹内智信】



