中継ぎエース復活!?

 ソフトバンク摂津正投手(31)がリーグ戦3年ぶりの救援登板にやる気たっぷりだ。3日西武戦(西武ドーム)に先発後、クライマックスシリーズ(CS)進出をかけた残り2試合でブルペン待機する可能性を示唆。かつて勝利の方程式「SBM」の一角を担った男がチームのため馬車馬のように働く。

 大阪行きの新幹線に乗る直前の博多駅。摂津は「あるんじゃないでしょうか。コーチが決めることですが」と口を開いた。3日西武戦でリーグ戦最後の先発を果たした後、翌4日からの日本ハム2連戦(札幌ドーム)に救援登板する可能性を聞かれ、即答した。「きついけれど、大丈夫じゃないですか。チームに必要とされれば」とも言ってのけた。重圧のかかるシーズン最終盤で、笑みを浮かべて先発→中継ぎの「ウルトラC」を思い描いていた。

 リリーバーとしては、ファルケンボーグ、馬原と構成した勝利の方程式「SBM」が記憶に新しい。摂津は、新人だった09年から2年連続70試合に登板し、2年連続で最優秀中継ぎ投手に選ばれた。以降、リーグ戦の救援登板はない。ただ、11年の日本シリーズでは、第3戦に先発した後、中1日で第5戦、第7戦に救援し、胴上げ投手になった。「経験がありますからね」と、先発、中継ぎの「二刀流エース」に支障はなさそうだ。

 まだまだ順位が確定せず、CS争いは混沌(こんとん)。ソフトバンクは今日1日オリックス戦(京セラドーム大阪)からビジター5連戦。これですべてが決まる。秋山監督は1試合ずつ戦うだけかと問われ「そう、そう」と緊迫した空気を漂わせた。4位西武たたきの使命がある摂津は「本職の中継ぎがいっぱいいますし、その前に(順位が)決まっていますよ」と、まずは先発で16勝目を挙げることに専念。その後、中0日で救援マウンドにも立つ覚悟もある。チームのために働く強い意志がエースにはある。【押谷謙爾】