<日本ハム5-4ソフトバンク>◇4日◇札幌ドーム

 最後まで負けなかった。日本ハム大谷翔平投手(19)が4日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で今季ラスト登板し、プロ自己最長の7回を投げて7安打4失点。4回まで無安打投球を披露したが、5回以降に制球を乱し、2つの押し出しと被弾で失点を重ねた。4勝目はならなかったが、8回に味方打線が逆転し、無敗のままで終了。シーズンを通して挑戦した投打“二刀流”の「投」には課題を残しつつも、明るい未来を感じさせた。

 大いなる挑戦は、無敗のまま一区切りがついた。だが、胸中は複雑だった。大谷の今季ラスト登板は、悔しさを胸に閉幕した。「完全に野手のおかげなので…。もっとゲームをつくっていければよかった。(3勝は)足りないと思う。もっと勝ちをつけられれば」。勝利投手目前の5、6回に立て続けに失点。プロ入り最長の7回で113球を投げたが、充実感はなかった。

 明と暗がはっきり分かれた。立ち上がり、最近2度の登板でどちらも先制を許した初回を2奪三振、無失点で切り抜けた。「結構良かったと思う」。最速154キロの直球にスライダー、フォーク、そして90キロ台のカーブ。シーズン200安打に迫る長谷川を筆頭に、クライマックスシリーズ出場へ気合みなぎるソフトバンク打線を手玉に取った。4回を終えて46球、ノーヒット。完封ペースで進んでいた。

 しかし、1点リードの5回、先頭の松田に許した初安打が4勝目を逃す分岐点になった。1死満塁とピンチを広げ、山崎、今宮に押し出し四死球を与えた。「打たれてないけど、点を与えてしまった。テンポがよくなかった。もっとポンポンいければよかった」。さらに6回、柳田には制球ミスした速球を左翼席へ運ばれた。「力ないボールになってしまった」。結局、5回からの3イニングだけで7安打3四死球と乱れた。

 批判や反対意見にさらされながらも、投打「二刀流」に挑戦してきた。4月に右足首を捻挫、7月には右頬を骨折、9月の楽天戦でも打球が右手と左膝に当たった。だが、その都度、大谷は駆け寄るトレーナーに「大丈夫です。いけます」と言ってきた。優しい瞳の奥には、強い信念とおとこ気が宿る。アクシデントを乗り越え、3勝&3本塁打。球宴にも出場し、敢闘賞を獲得した。栗山監督も「いろいろなことが耳に入る中で、よくやってくれた」と、ちょっとだけ感慨に浸った。

 明日6日、西武との最終戦(札幌ドーム)に野手として出場する可能性はあるが、投手としてはルーキーイヤーが終了。「最初の段階よりは、前進したと思います。でもクイックとか、やることは多い。フェニックス(リーグ)もあるので、試していきたいです」。視線はすでに、未来へ向いている。【本間翼】