西武の伊原春樹新監督(64)がV奪回を宣言した。22日、埼玉・所沢の球団事務所で就任会見。03年以来の復帰で、コーチ時代に黄金期の西武を知る経験豊富な指揮官は「西武は優勝が宿命。優勝したいとかではなく、とにかく優勝しかありません」と断言。テレビのインタビューで来季の目標とファンへのメッセージを求められても「優勝」と繰り返した。

 築き上げた常勝軍団の伝統を継承しながら、伊原イズムを注入する。「また鬼が帰ってきたくらいに思ってもらえれば」と冗談を交えたが、座右の銘でもある「野球道に全力」を掲げ、グラウンド内外における人間性や社会人としての規律を強化。「ルールの中での自由はいいが、今はその自由をはき違えている選手もいるんじゃないかと。教育、しつけをしていければ」と改革構想を語った。

 理想に掲げたのは、伝統の「守り勝つ野球」だった。「キーマンは全員。守りから入って、その中でスキをついて、僅差のゲームをものにする」と宣言。西武、オリックスの監督時代には三塁ベースコーチを務めたことがあるが「勘弁してください。優秀な河田雄祐がいる。僕が鬼コーチの時に勉強しているのが垣間見える」と信頼を寄せた。契約期間は1年で、背番号は未定。今日23日から西武ドームで行われる秋季練習から伊原体制がスタートする。【久保賢吾】