<コナミ日本シリーズ2013:楽天2-1巨人>◇第2戦◇27日◇Kスタ宮城

 “番狂わせ”は夢と散った。巨人菅野智之投手(24)が自身初の日本シリーズのマウンドに立った。「ずっと投げ合いたいと思っていた」。同じマウンドには楽天田中がいた。無敗を誇る相手エースに巨人のルーキーが必死に食らいついた。「『新人だから負けてもしょうがない』は絶対に嫌。新人らしからぬ意地を見せたい」と、初々しさを封印して、ふてぶてしく大舞台に立った。

 中盤までは1歩も引かなかった。相手に的を絞らせまいと、CSファイナルステージで多投したフォーク、シュート、スライダー、カットと多彩な変化球をちりばめた。「ただでやられるわけにはいかない。当然ですが勝ちにこだわる」と、5回までは散発4安打6奪三振の好投で味方打線の援護を待った。

 だが、やはり壁はでかかった。「田中さんとの投げ合いだったので1点の重みは、いつも以上に感じていましたが、粘り切れませんでした」。6回1死二塁からの1球が甘かった。銀次に投じた2球目。カウントを取りにいったスライダーを中前に痛打された。外野で弾む打球に天を仰ぐしかなかった。続くジョーンズに四球を与えたところで降板を告げられた。

 相手が誰であろうと負けていい試合はない。短期決戦は好投しても試合に負ければ意味はない。「今年一番、人生一番の投球をしないと勝てない相手だと分かった。次も同じマウンドに立てる可能性はある。そこでリベンジします」。次こそは…。絶対にぶっ倒す。【為田聡史】