<コナミ日本シリーズ2013:楽天2-1巨人>◇第2戦◇27日◇Kスタ宮城

 今シーズン無敗の相手エースを打ち崩せなかった。巨人は8回の寺内のソロによる1点に終わった。田中に3安打に抑えられ、12三振を喫した。

 田中攻略の傾向と対策は立てたが、力でねじ伏せられた。6回2死満塁のロペスは直球2球で追い込まれ、最後も152キロの内角真っすぐで空振り三振を喫した。結局は、いかんともしがたい剛球が、攻略の壁となった。

 8月から重ねた田中の分析は、この日の試合直前まで続いた。ミーティングではカウント別にどの球種が多いのかを表すデータが配られた。初球のカウント球がやや甘くなる傾向があるため、各打者が早めに打ちにいった。甘い球をなんとか1球で仕留める狙いだったが、スプリットなどの変化球も制球良く決められ、打ちあぐねた。

 亀井は、この日の打撃練習が終わった後も狙い球を絞りきれずにいた。「当日のこの時間まで絞りきれないのはあんまりない。球種が多いから絞りにくい」。好調を維持し、CSでは広島前田健の攻略に一役買った亀井でも仕留められなかった。

 選手たちは個々に工夫をしていた。村田と長野はこの日の試合前、打撃投手に球種を知らせずに直球とフォークをミックスした投球を依頼した。それを打つだけでなく、際どい球は見逃す練習もした。いつもより打球音のしない打撃練習となった。すべては田中攻略のためだった。

 唯一の成功例が寺内だった。8回、カウントを取りに来る初球のスライダーを狙って、打った。チームとして練った攻略への方向性は間違っていなかった。ただ、力勝負は、どうしようもなかった。橋上戦略コーチは「よってたかってやっても、なかなか打てないですね」と脱帽するしかなかった。【竹内智信】