広島が新外国人として、ザック・フィリップス投手(27=マーリンズFA)を獲得したことが27日、明らかになった。年俸4000万円(推定)で、1年契約。野村監督の続投が決定してから、わずか1週間。異例のスピード獲得だが、球団首脳は「FAになっていたから、早めに1枚ほしかった」と説明。近日中にも正式発表される。

 左腕不足は、チームの重要課題だった。今季、先発4人が10勝を挙げた一方で、左腕先発の勝ち星はわずか2つ。リリーフの防御率も、右投手が3・19であるのに対し、左投手は3・72と安定感を欠いた。左腕で獅子奮迅の活躍だったのは、今季から加入した久本だった。そんな中、23日のドラフト指名した投手4人は、すべてが右投げ。球団首脳が「この選手がいたから、ドラフトでも無理することがなかった」と話すほど高評価。新たなセットアッパー候補について「力で抑えるタイプではないが、制球がよく、コンビネーションで空振りが取れる」。140キロ台の直球に、スライダー、ツーシーム、チェンジアップで翻弄(ほんろう)するスタイルだ。

 中継ぎでの活躍が期待されるサウスポーだが、マイナーでは先発経験も豊富。バリントンに故障など不測の事態があったケースは、代役を務める可能性もある。悲願Vへ、広島が悩まされてきた左腕不足へ、早くも手を打った。

 ◆ザック・フィリップス

 1986年9月21日、米国カリフォルニア州サクラメント生まれ。サクラメントシティカレッジから、04年ドラフト23巡目でレンジャーズに入団。11年にオリオールズへ移籍し、13年はマーリンズでプレー。メジャー通算19試合に登板し0勝1敗、防御率3・45。183センチ、86キロ。左投げ左打ち。