新生中日のキーマン、森繁和ヘッドコーチ(58)が新外国人獲得のため11月6日に早々とドミニカ共和国入りすることが28日、分かった。目利きの同コーチは過去にブランコ、ネルソンら優良助っ人を獲得するなど実績十分。同1日からの秋季キャンプもそこそこに、来季の命運を握る外国人補強のため現地入り。メジャー球団との争奪戦も先手を打って制し、実質無期限ともいえる長期滞在でV奪回の切り札となる助っ人を発掘する。

 さすがに仕事が早い。敏腕は動きも早い。目利きの森ヘッドコーチが、来月6日に早々とドミニカに渡る。現地ウインターリーグを視察。リストアップしてある新外国人候補を絞り込み、日本にいる落合GMと密に連絡を取って獲得する“発掘の旅”。スーツでビシッと決めてナゴヤ球場にやって来た同コーチは「早く行かないと。ピッチャーなら4~5日に1回しか投げないし、メジャーのスカウトも動きだすから早い方がいい。契約が決まった選手は出なくなるしな」と力説。先んじて競争を制す。

 落合政権下でも同職にあった森コーチは、独自のルートで数々の優良助っ人獲得に尽力してきた。08年のネルソンは同年テスト生から11年開幕投手で10勝。09年ブランコは同年本塁打&打点の2冠王で、今季DeNAでも打率&打点の2冠王と圧倒的な成績を残している。落合GMからも絶対的な信頼を寄せられている同コーチの眼力が、新生中日の大きなカギとなる外国人補強を左右する。

 ルナとカブレラの残留は発表済みだが、クラークとマドリガルの去就は微妙な状況。お目当ては最大3人。補強ポイントを「先発の左、左のリリーフもほしい。野手も」と説明。特に投手は「GMも監督とも話して、ほしいということになっている」と重点的に動く。野手は「内野手でけが人が出た時に使えるような、ファームで使って伸びてくるような選手」とバックアップ的な存在まで幅広く見る。

 覚悟は滞在期間があらわす。「1カ月がメド」というが「向こうは試合を12月20日くらいまでやっているからな」とあえて帰国日は決めず、実質無期限ともいえる徹底調査で掘り出し物を探し当てる。滞在中には膝のリハビリ中のルナとも面談予定。正式契約前だが、名参謀は早くも精力的な動き。圧倒的な存在感を放っている。【八反誠】