<コナミ日本シリーズ2013:巨人1-5楽天>◇第3戦◇29日◇東京ドーム

 巨人打線が、東京ドームでも不発に終わった。楽天美馬を捉えられず0行進を続け、8回に矢野の1発で奪った1得点のみ。これで日本シリーズ3試合で4得点という低迷ぶり。本拠地に戻って復活が期待されたが、わずか6安打と強力打線に当たりが出ない。「やられる前にやろう」と先手を誓っていた原辰徳監督(55)だが、こうなったら倍返ししかない。

 本拠地で爆発するはずだった巨人打線が、くすぶったまま沈黙した。相手は美馬。交流戦でボッコボコにした油断があったのか。それとも2回に4点を失い、焦りが生まれたのか。阿部が、高橋由が、ロペスが、グリップエンドが投手に見えるようなアッパースイングを繰り返した。打線の不調を聞かれた原監督は「耳が痛いですけど、仕方ありませんね」と苦笑した。

 短期決戦では「逆シリーズ男」という不名誉な呼ばれ方をする選手が出ることがある。巨人にはその候補が多すぎる。高橋由、ロペスにはまだ安打がなく、阿部もこの日の1安打のみ。寺内以外は当たりが止まっている。

 原監督は「後ろを打つ打者が、前の打者を守るんだ」と言う。第1戦では、三振した阿部の援護射撃とばかりに、直後の村田が則本からソロを放った。そうやって打線はつながる。しかし、当たりの止まっている打者に、前の打者を援護する力はなく、負の連鎖が起き始めている。

 不発の選手の起用について原監督は「全員で戦ってここまで来てるわけですから。そのスタイルは変わらない」と、忍の一字だが、悠長なことも言っていられない。というのも楽天田中の存在が重くのしかかるからだ。不敗投手の攻略が至難の業だとすると、この日の1敗で、王手をかけられたのも同然だと言える。

 指揮官は、元気のない打線に火をつけようと、まず自分に活を入れていた。この日の試合の前日、東京ドームの外野を黙々と走った。「自分への戒めだな。走ると翌日、足が張ってピリッとするんだ」と言ったが、実は結ばなかった。打線は沈黙したまま、筋肉痛だけが残った。

 「やられたらやり返す、という言葉があるけど、やられる前にやろう」と先手必勝を掲げて挑んだ。だが、シリーズの星勘定も含めて、やり返さなければならない立場になった。「守りにしても、攻撃にしても、もう少し攻撃的にやる必要がある。少し、お行儀良くなってしまっている」と、荒々しい巨人打線の復活を願った。昨年のCSでも3連敗3連勝の粘り腰を見せている。原巨人の、倍返しのシリーズは、ここから始まる。【竹内智信】

 ▼巨人は矢野の本塁打による1点だけで、<1>戦からの安打数が4本→3本→6本の合計13本。<3>戦終了時の安打数としては、94年巨人の11本(4本→2本→5本)に次いでシリーズ史上2番目に少ない。この3試合の得点は合計4点だが、ソロ本塁打3本で3点を挙げており、適時安打は<1>戦5回に長野が打った1本だけ。走者を得点圏に置いた場面では<1>戦一ゴ、二ゴ、右安、捕邪、四球、三振、<2>戦右飛、死球、二ゴ、四球、三振、<3>戦三振、投ゴ、遊飛、中飛、三振と、通算13打数1安打で得点圏打率は7分7厘しかない。